新しい左翼入門 講談社現代新書
借りる。2019正月拾い読みのメモ。
・「共産主義における左翼小児病」:レーニン著 は、左翼社会運動の必読文献だった
・P11薬師院の本には、国有化社会主義とは別の社会主義の「アソシエーション派」バブーフ、サンシモン、ブランキなどが無視されている。仏ではフーリエ、プルードン、バクーニンから20Cのアナルコ・サンジカリズムに至る流れのこと。英のオーウェン、独のシュティルナーを含む。
俺の参考: (anarcho syndicalisme) サンジカリズム(急進的労働組合主義)におけるアナーキズムに相通じる一つの立場。国家、組合、階級などによるいっさいの政治権力を否定し、労働者による生産管理を実現しようとするもの。二〇世紀初頭から第一次大戦前後にかけて、スペイン、フランス、イタリアで盛んだった。労働無政府主義。
・アソシエーション派:自立した個人が対等に連合して、地域共同体や各工場を自治し、それが対等に調整しあって全体社会を作るイメージ。坂本慶一「マルクス主義とユートピア」参照。
・マルクス以前は私有財産を持つこと自体否定するのが共産主義。薬師院はマルクスも含め生産手段の共有だけにとどめる路線を「社会主義」と区別した。別の切り口として国有派Xアソシエーション派のほうが重要ではないか?
・2つのタイプ、1)理論派で社会を考える人、2)対立の現場で社会を考える人
・下からの取り組みで社会を変えようとした
:米大陸に入植して共同体を作る
:働く者自身が運営する協同組合の工場を運営する
:労働組合による工場管理を図る
・日本の社会運動の対立史
:戦前のアナボル抗争=アナキスト(大杉栄)Xマルクス主義系(堺利彦、山川均、荒畑寒村)
:福本和夫X山川均論争
:日本資本主義論争=労農派X講座派(野呂栄太郎、山田風太郎)
:戦後、共産党X社会党左派
:共産党X部落・障害者・在日朝鮮人などマイノリティ運動の対立
:ブントX革共同
:革マル派X中核派(内部も分裂対立、内ゲバ)
(右翼でも)
:陸軍 皇道派X統制派
:戦前ファシズムの国家社会主義X農本主義
・明治の有名な社会運動
:足尾銅山鉱毒事件、田中正造
1903.3甲府の大衆暴動
・アナルコサンジカリズム:労働者の直接行動
一斉ストライキ、幸徳秋水
アナキズム、クロポトキン
大規模災害が起こると特別な共同体が立ち上がる「災害ユートピア」:山川、大杉、寒村も参加
労働者の自然発生的な戦いにどう向き合うか。
・大逆事件:1910
・アナボル抗争の本「アナ・ボル論争」同時代社 大窪一志
実は考えていたことはどちらもほぼ同じ。
P64小集団の自主独立を尊重→内部の個性が圧殺され、腐敗した幹部の独裁がまかり通ることがある。オウムなどのカルト集団、組織の私物化。
・P129ファシズムの主な支持基盤層:中間層、農民、個人商店主、小さな企業家、中流サラリーマン、所得階層としては貧しい人が多い。資本主義市場経済の進展と不況のせいで没落して危機に陥ったとき、権威を求めて発生するのがファシズムとされる。(以上)
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(感想)ファシズムの抑止に社会主義は有効なのか?研究必要。独の左翼はヒトラーを抑えられなかった。ソ連はヒトラー独と手を結びながら、2次大戦では多大な犠牲を払いながら最後撃退したが。アソシエーション派も興味ぶかいが、言うは易し行うは難しではないか?、これも研究要。
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