日本と中国草の根対話・交流集会7.27,南京大虐殺幸存者夏淑琴さんお孫さんの話ほか
戦後80年記憶を分かち合うために日本と中国草の根対話・交流集会7.27に参加した。
主催:日中草の根交流会
発言者の気になった言葉をまとめます(速記メモにより不正確な個所あり)。夏媛さんは祖母の南京大虐殺の話しを途中ため息混じりに詰まりながらの語りが特に印象に強く残った。
1.南京民間抗日戦争博物館長 呉先斌さん
・京都に来て悲しい話は、京都の旧第16師団の2人が南京中華門に至るまで百人斬りの殺人競争で105人と106人軍刀で切り殺したこと。日本でも報道された。2人は中国国民党の南京軍事法廷で死刑になった。
・憂い:第45回京都戦争展で講演したが、残念なことに年々聴衆が少なくっている。戦争展に来る人が100人いるかどうか
・右翼化 10数年前学者に日本社会が右翼化していると聞いた、不思議だった。今日自分が見聞し、右翼系が強いと感じた。政府の右翼化は選挙で落とせるが、市民ひとりひとりの民衆社会の右翼化は簡単に阻止できない。
・加害の歴史の研究:被害者側の研究は発表しやすい、簡単、多い。加害者側の研究は発表が簡単にできない、数も少ない、論文の数も違う。経営者は論文数で比較する。加害史の研究:就職で受け入れられない、採用されない。恐い。大学の先生によると、民衆の中で「加害史は受け容れられない」。
学術:実験、行動:指導がないとうまくいかない、少ないので心配だ。努力すれば、加害の歴史は忘れられない。いかに戦争を阻止、平和になるか
・南京民間抗日戦争博物館、戦争好きと誤解される、資料を通じて戦争の残酷さ、平和を求める。
平和は恋愛と同じ、一方的には実験ができない、お互いの努力が必要。別れるのは一方的にできる。
・ネットはお互いの悪口が多い、マイナスのニュースで誤解が生じる、平和を求めているのに反日感情を煽ると言われる
・日本の右翼から手紙が来る、ネットの悪い力、中国人が日本人から攻撃があると誤解する
・南京事件の映画「南京の写真屋さん」がはやるだけで、在上海の日本大使館が「反日」だと警戒の注意が出る、残念
・中国の軍事費:日本の右翼の新聞は中国の軍事費増と報道、40年前の中国は貧乏、豊かになると金も家電もある、泥棒から目を付けれるから頑丈な門、かぎ、金庫も必要。軍の防衛費も自分の国を守るため、日本の軍事費より大きいはずはない
・中国の人口日本の21倍、国土は20数倍、軍事費も大きくなる、中国を怖がる必要はない
・過去の歴史を勉強し守る、被害者側は重要、被害を訴える権利が必要。二度と同じ戦争は起こさない。
・中国の元兵隊:「天道」を知っているか?美しい所、平和こそ天道に住むことを願う
司会者(山内さん):12月13日は南京攻略戦の追悼日(原爆の日といっしょ)に「日本の領事館が警戒を出すこと」を通訳が怒り、悲しんだ。
2.南京大虐殺幸存者の孫 夏媛さん
歴史の記憶継承者、語り部として活動。
夏淑琴(以下祖母)さんは南京育ち、11人の家族のうち姉たちほか9人が虐殺され、祖母8歳と4歳の妹が生き延びた。広島の戦争孤児が靴みがきをしている映像を見て大声で泣いた「ここに私がいる」と。
日本軍はテーブルの下に隠れた祖母の母と妹をみつけ妹を投げつけ殺した。母を強姦し殺した後、陰部にビンを入れた。15歳、13歳の姉も輪姦され殺された。日本軍は祖母の祖母も殺した。4歳の妹の声を聞いた軍は銃剣で刺したが、祖母の下にいたので刺されず祖母が意識不明になった。
妹の「ママ、ママ」の声で目が覚めると、体中が血まみれになっていたがどこから血が出るのかわからなかった。妹が「おなかがすいた、ご飯が食べたい」、家中を探して備蓄用の炒めた米をみつけ食べた。水瓶の水を飲み10数日を過ごした。日本軍が昼間は駐屯しており動けないので夜間に炒めた米と水で食事を摂った。
近所の人は2人の子供が生き残っているのを知っており、2人を老人どう(養老施設)に行かせた。祖母は脳みそが出ており、綿入れから綿を出して燃やし、傷口につけだんだん治ってきた。80数年経っても傷跡が残った。遠くのおじさん(生き残ったと聞いて、祖母の母の兄弟が老人どうで確認し祖母たちを連れ帰った。
当時南京は中華民国の首都で多くの外国人がいた。アメリカの牧師ジョン・マギーは16ミリカメラで撮影し、ドイツ シーメンス社で駐在のジョン・ラーベが日記を書いた。
おじさんは親が貧乏で2人を養う力がなく妹を孤児園へ送った。
祖母は12歳になると家計を助けるために、お手伝いさんと市場で野菜を売った。国共内戦があり中共政府になって生活がよくなった。大きくなっても過去を忘れない、ひどい歴史を忘れてはいけないとよく言った。
2,30年前(の裁判で)日本の右翼の学者がニセの証人の言論があった、祖母は「そうじゃない、そうじゃない」とニセでないと反論した。「右翼の学者の本は歴史の事実を抹殺しようとし闘った。裁判で南京と日本の間を奔走し、日本の裁判で勝訴した。生きている限り私よりひどい殺され方をした30万人のためにも闘い続ける。日本軍が抹殺したことを絶対に許さない。歴史の真実を抹殺してはいけない。歴史の真相はいつまでも真相です。時間の流れで(真相を)薄め流されてはいけない」と祖母は語った。
夏媛さんは、「南京事件幸存者の研修を受け、南京大虐殺記念館のフォーラムの活動に何年も参加した。解説員のボランティアもした。祖母の家族として30万人の虐殺を伝える。3月に紫金草合唱団が中国に来て交流した。合唱団のメンバーは高齢者が多いが歌を通じた活動をして感服した。互いの平和実現のために交流が必要。」と話した。
司会者:日本は(南京大虐殺について)きちんとした謝罪をしていない。
3.邸逸文さん:日中戦争で中国側の将軍のお孫さん
祖父が1937第二次上海事変(淞滬会戦そんふーかいせん、南京戦)参加
中国側重火器・弾薬なし、肉弾戦、中国軍全180師団の内73師団が参加し全滅25万人戦死、日本軍9万人戦死
12月南京防衛戦にも参加。
日本軍が侵略して南京大虐殺の事実を訴えたい、武士道精神とも全く相いれない行為、人類史上稀にみる惨劇、中日両国に癒し難い感情を植え付けた。歴史で起こったことは今更隠せない、私たちはこの歴史を正視、承認、南京で殺された30万人の魂を癒す。中日両国の人々が新たに手を携え、平和な世界を創出することを願う。
4.青木茂さん 「中国人強制連行・強制連行と万人坑(人捨て場」
大同炭鉱万人坑「ミイラ化している」 遼源炭鉱万人坑(吉林省)
日中15年戦争における中国人犠牲者(死者)=2100万人
内訳:民間企業の強制労働による犠牲者=1000万人(概数)
日本軍の武力(虐殺)による犠牲者=1100万
*参考、ナチスのホロコーストによるユダヤ人犠牲者=600万人
李秉刚(り びんがん)教授による万人坑の定義:万人坑とは、日本の中国侵略下で「不自然な死」「理不尽な死」を強いられた中国人が大量に埋められているところ」
・大同炭鉱 煤谷口万人坑ー山西省大同市死者6万人 地下道2本に遺体が捨てらている。多くの遺体は「ミイラ」化、若い屈強な若者、顔の表情・手足、歯が残る
司会者:1982年教科書問題が起こった。今まで中国への「侵略」と教科書に書いてあったのを、「進出」と書き替えた事件。 1985年に南京大虐殺記念館が開館。
参加者から:当時、中国人の日当50銭、日本人は1円、現在も正社員と非正規労働者で差別しているのと同じ状況は変らない
司会者:(戦争展や交流会へ)周囲の人を1人連れて来よう!(友人、孫、娘・・)
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません