週刊金曜日357号 2001.3.30 目次、消えゆくNHKのジャーナリズム
P25消えゆくNHKのジャーナリズム 竹内一晴
本誌353号で取り上げた「ETV2001」NHK改竄問題を追及する。
・「バカヤロー」を連発する海老沢会長
・背後に海老沢支配体制
3.2付朝日新聞は29日にNHK幹部の話として、「会長側近の局長や放送総局長のための『異例の試写』があった」と報じた。
この試写で彼らが見たものは、秦郁彦氏の「女性国際戦犯法廷」に疑義を呈するコメントが加えられたものだった。
永田浩三チーフプロデューサーが番組の趣旨を守ろうと」(高橋哲哉氏)してつくった43分版だった。そしてこの43分版試写では、「バランスがとれた」ということで、松尾、野島両氏のOKが出たという。
ところが本誌3.2号で指摘したとおり、松尾氏は30日、放送3時間前に3分カットを指示している。放送最高責任者である松尾氏に影響力を行使できるのは、局内では海老沢会長その人しかいない。あるいは「名うての自民党タカ派代議士と海老沢・松尾両氏が親しい中にある」(全国紙記者)のも気になるところだ。
海老沢会長の支配体制。同じ政治部出身の海老沢会長は、自分の『子飼い』である政治部記者出身の者を理事(全8人)に据えている。海老沢氏は自民党の旧経世会(橋本派)とのパイプでのし上がってきた人物。現場の良心的記者、ディレクターなどがいても、今回のように特定の問題を扱おうとすればストップがかかったり、すぐに地方に飛ばされるのだから、どうしようもない恐怖政治だ。
・広がる波紋
出演者・取材協力者の表現を踏みにじり、なぜ放送トップの判断までひっくり返した再編集を放送直前にしなければならなかったのか。政治家・右翼の関与は本当になかったのか。海老沢勝二会長は「暴言」の前に説明責任を果たすべきだ。
〇NHKは納得のいく説明を!
・高橋哲哉 東大教授 加害兵士の証言、軍最高司令官だった昭和天皇の責任、日本政府の国家責任を認定した判決のシーンなどがなくなっていた。大きく改変されたのはメディアのタブー(慰安婦問題、天皇の戦争責任)が扱われていたためだと思う。
・米山リサ カリフォルニア大準教授 主催者が「和解」でなくあえて「責任者処罰」を焦点にしたことを「重要ポイント」であると言った部分もなく・・。「日本軍あるいは日本政府が、かつて過去に犯した行為が、犯罪であったかどうか、その判断ですね。つまり裁き。それを下す手段もないまま、したがって処罰されず免責されたまま、その上で、という部分がカット。




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