週刊金曜日150号 1996.12.6目次、日本兵による人肉食事件ー旧軍人たちの証言、フィリピン、日本軍毒ガス遺棄問題

2025年9月19日

週刊金曜日150号 1996.12.6目次
uimg-s442_20230815103009b21.jpg

P5金曜アンテナ
・戦後補償判決で響くアリラン 栗林佐知
 「江原道遺族訴訟」1996.11.22東京地判 韓国江原道に住む強制連行被害者とその遺族ら24人が提訴。すべて棄却。
判決理由、明治憲法下当時、国民に損害を与えても国は責任を問われないとする非情な内容。「遺骨だけでも返せ」とハングルで書かれた横断幕を掲げた。
・トンネル落盤事故で犠牲の朝鮮人像建立 田靡新
神戸電鉄敷設工事による朝鮮人犠牲者を調査し追悼する会」神戸市兵庫区の会下山公園で朝鮮人労働者の像の除幕式を行った。1927年から36年にかけて、三木電鉄(現・神戸電鉄)が神戸から有馬温泉を結ぶ工事を行った。その際、東山トンネルと藍那トンネルで落盤事故が起こり、計13人の朝鮮人が亡くなっていた事実を「追悼する会」が掘り起こした。
uimg-s483_20230815104110e0b.jpg

・「ナヌムの家」ヨンジュ監督が語る映画論 栃原哲則
 監督は従軍慰安婦の「二重の植民性」について言及した。一つは彼女たちが「植民地・朝鮮で生まれ、日本帝国の犠牲になった」事実。もう一つは、「朝鮮の中で男性と女性の関わりの中でのもう一つの植民地」が存在した事実で、兄の徴兵を逃れさせるために妹が慰安婦として連行された話を挙げて説明した。
uimg-s484_20230815104109223.jpg

P16 日本軍毒ガス遺棄問題 市民感覚とズレる日本政府の対応 辰巳知司
・大久野島と中国で
日本軍の毒ガス工場は1927年、広島県竹原市忠海沖の大久野島に極秘裏に設置された(1996.9.13号P65参照)。
被毒者、激しい咳を伴う慢性気管支炎や高いガンの発症率が特徴で、不治の病の恐怖にさらされている。
・広がる毒ガス禍 中国牡丹江市
・致死性を認めぬ政府 吉林省敦化市、日本製毒ガス弾内に致死性猛毒ガスのイペリットとルイサイトの混合液を確認した。
・消える「人道性」
uimg-s443_202308151030185cd.jpg

P18立ち上がった毒ガス被害者たち 日本政府への提訴はじまる 山田勝彦
1996.12.9東京地裁で13人の中国人が日本政府相手に提訴(紅旗09号毒ガス事件、牡丹江光華街毒ガス事件)。
・紅旗09号毒ガス事件 1974.10.20黒龍江省航道局紅旗09号浚渫船。
・牡丹江光華街毒ガス事件 下水道工事
・毒ガス被害者が提訴に至るまで 中国人戦争被害者賠償請求事件弁護団
uimg-s444_20230815103016971.jpg

P26日本兵による人肉食事件ー旧軍人たちの証言 フィリピン・キタングラッド山 永尾俊彦
敗残兵となった日本兵が食料の補給を断たれ遺、現地の人々を殺害し食べていった事件。その遺族の証言は66号で紹介。今回は加害者の証言。
フィリピン・ミンダナオ島北部ブキノドン州のキタングラッド山で起きた。1949年の戦犯裁判の記録が共同通信の石山永一郎記者によって発見された、表面化した。犠牲者の数は13人となっている。
・自給自戦永久抗戦
・心身喪失
uimg-s445_20230815103014280.jpg

P28 ・一般的だった人肉食事件 遺族らの「ブキドノン悲嘆者同盟」の調査では被害者は89人される。
BC級先般オーストラリア軍法廷、米軍裁判のグアム法廷などで人肉食事件が裁かれており、東京裁判では45年8月フィリピン・ルソン島で起きた船舶工兵第二五連隊の6人の日本兵によるフィリピン人5人の殺害人肉食事件や、44.12.25ニューギニアで豪州軍の捕虜となった一等兵の尋問調書なども証拠提出されている。
・沈黙する被害者
 たいていの人は小学校にすら行っていない。会合を開こうにも交通や通信が不便でみんな集まれなかったり、交通費すらない人も多い。
日本軍が侵略したアジアの片隅には、筆舌につくしがたい被害を被ったが、運動・世論への訴え・デモなどの「近代的な権利主張」とは無縁の暮らしゆえに、この「キタングラッド山事件」の被害者たちと同じように、事実上沈黙しているおびただしい数の人々がいるのだろうと思われる。
uimg-s446_20230815103014f77.jpg

P38 書評「ホロコースト全史」マイケル・ベーレンバウム著 創元社,評者 久保田穣 殺人者たちが「高い教養を備えた正常な人びと」だった。ホロコーストは「国家による大量殺戮」なのだった。私たちが明日、殺人者にならない保証はどこにもない。
uimg-s447_20230815103012474.jpg