最低投票率めぐり意見対立 投票法案、24日に公聴会07.4.19

2025年9月27日

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007041901000618.html
最低投票率めぐり意見対立 投票法案、24日に公聴会
2007年4月19日 19時33分東京新聞
 参院憲法調査特別委員会は19日、憲法改正手続きを定める与党提出の国民投票法案を審議した。野党側から一定の投票率に達しない場合は投票を無効とする最低投票率の規定を盛り込むべきではないかとの意見が相次いだが、与党側は導入に否定的な考えを重ねて示した。
 審議後の理事懇談会では、23日に参考人質疑、24日には仙台、名古屋両市で地方公聴会を開くことで一致。野党側はさらに全国数カ所で公聴会を実施するなど慎重に審議を求めた。
 19日の審議では、共産党の仁比聡平氏が「わずかな有権者の賛成だけで憲法改正が実現されていいのか」と批判。
 法案提出者の保岡興治元法相は、憲法96条が改正の承認には国民投票の「過半数を必要とする」としていることを挙げ、「憲法に明文がなく、総合的に判断して(最低投票率を)制度化しなかった。専門性の高いテーマでは(投票率が低くなる可能性があり、規定があると)改正の機会がなくなってしまう」と説明。
(共同)

http://web.mac.com/volksabstimmung/iWeb/Welcome/EED66D6F-C191-454E-B774-17FB9BD8CB94.html
『朝日新聞』社説 2007年4月19日
国民投票法案—最低投票率を論議せよ
 憲法改正の手続きを定める国民投票法案について、無視できない世論が明らかになった。
 「投票率が一定の水準を上回る必要がある」と考える人が79%にも達し、「必要がない」の11%を大きく引き離した。朝日新聞社の世論調査である。
 国民投票法案の審議は参院に舞台を移したが、衆院を通過した与党案にも、否決された民主党案にも、投票が成立するための投票率に関する規定はない。
 共産、社民両党は一定の投票率に達しなければ投票自体を無効にするという最低投票率制の必要性を指摘してきた。しかし、これまでの審議では突っ込んだ議論にならなかった。
 たとえば韓国では、有権者の過半数が投票しなければ無効になる。英国では、有権者の40%が賛成しないと国民投票は成立しないという最低得票率のハードルを設けている。
 国のおおもとを定める憲法の改正では、主権者である国民の意思をどれだけ正確に測れるかが重要な論点のはずだ。憲法96条は国民投票で過半数の賛成による承認が必要としているが、あまりにも少数の意見で改正される恐れを排除するには最低投票率制は有効だ、と私たちも考える。
 仮に投票率が4割にとどまった場合には、最低投票率の定めがなければ、有権者のわずか2割の賛成で憲法改正が承認されることになる。それで国民が承認したとは、とうてい言えまい。
 与党や民主党には、否決を狙ったボイコット戦術を誘発するとか、国民の関心が低いテーマでは改正が難しくなりかねない、といった反対論が根強い。だが、主権者の意思を確かめることが、いちばん大切なのではないか。
 どうしても憲法改正を急がねばならないテーマが目の前にあるわけではない。与野党の合意が得られない今回の法案は参院で廃案にし、参院選のあとの静かな環境のなかで改めて議論し直すべきだ、と私たちは主張してきた。
 今回の調査では、この法案をいまの国会で成立させることについて、「賛成」が40%、「反対」が37%と二分された。
 1カ月前の調査では、今国会で成立させるという安倍首相の考えに「賛成」の人が48%、「反対」が32%だった。ふたつの調査を単純には比較できないものの、時間をかけてでも与野党の合意を求める世論の広がりがうかがえる。
 国民の8割が一定以上の投票率が必要と考えている。なのに、国会でほとんど議論がなされていない現状は、これまでの審議から重要な論点が抜け落ちていたことを与野党に突きつけている。
 この問題のほかにも、メディア規制の問題、公務員の政治的行為の制限など、論議が不足している点は数多い。
 参院選で安倍カラーを打ち出すためにといった与党の思惑で、強引に成立を急ぐようなことがあってはならない。

『信濃毎日新聞』社説 2007年4月19日
憲法世論調査 九条堅持の民意は明白
 憲法改正を考えるのは構わないとしても、九条は守るべきだ−。国民のそんな意思がはっきりと読み取れる。
 共同通信社が行った全国電話世論調査の結果である。国会で審議中の国民投票法案について、慎重な扱いを求めるものとも言える。
 改正への賛否では、「賛成」「どちらかといえば賛成」を合わせた賛成論が57・0%を占めた。2年前の同様の調査に比べやや少ないものの、改正を是とする人が半数以上を占める状況は変わらない。
 目を向けたいのは、その理由である。多かったのは「時代に合わない規定があるから」の54・0%、そして「新たな権利や制度を盛り込むべきだから」の17・1%だった。「米国に押しつけられた憲法だから」は6・0%にとどまった。
 自民党内には“憲法押しつけ論”が根強い。安倍晋三首相も著書「美しい国へ」の中で、憲法が米軍の占領時代につくられた経過に触れつつ「国の骨格は、日本国民自らの手で、白地からつくりださなければならない」と述べている。
 今度の世調で見ても、国民の多くは首相らの“押しつけ論”から一線を画している。
 戦争放棄をうたった九条については、44・5%が「改正する必要があるとは思わない」と答えている。「改正する必要がある」の26・0%を大きく上回る。
 集団的自衛権行使を禁ずる憲法解釈は「今のままでよい」とする答えが半数以上を占めた。
 憲法の平和の理念は、揺るがしてはいけない−。国民の意思は明快である。
 国民の多くは、知る権利、プライバシー、環境権など新しい権利を盛り込むための改正は容認しても、九条の見直しは望んでいない。国会がいま、国民に九条改定の是非を問い掛ければ「ノー」という答えが返ってくるはずだ。
 そこで問題になるのが、憲法改正の手続きを定める国民投票法案だ。九条見直しも環境権の新設も一緒くたに賛否を問う方式では、民意を正しくくみ取るのは難しい。項目ごとに問う方式が必要になる。
 参院に送られた法案は、そこがあいまいだ。発議は「関連する項目ごとに」行う旨がうたわれているものの、何と何を「関連する項目」とするのか、政治の思惑が入り込む余地がある。このまま可決・成立へと進むのは問題が大きい。
 国民投票法案はこのほか、最低投票率の規定がない、発議から投票までの期間が短い、といった問題も抱える。成立を急いではいけない。

『東京新聞』筆洗 2007年4月18日
 二十一世紀の社会の在り方をテーマにした読者アンケートを行うため、質問と回答の選択肢をつくったことがある。回答では「賛成」「反対」「分からない・無回答」の三択を考えたが、相談した専門家に見直しを勧められた。「どちらかといえば賛成と、どちらかといえば反対を加えた方がいい」と▼答えにくい質問、難しそうな質問、関心が低そうな質問で三択にすると、「分からない・無回答」が増えてしまうというのが理由だった。言い換えれば「どちらかといえば」の回答者は「分からない・無回答」に回る可能性があるということだ▼昨日の朝刊に載った共同通信社の世論調査には、憲法改正に賛成が57%、反対が約35%とあった。いずれにも「どちらかといえば」が含まれている。差し引くと約27%対17%。半数近くの「どちらかといえば」の回答者が、どの程度の思いなのかはうかがい知れない▼もし憲法改正を問う国民投票が行われた場合、「どちらかといえば」の人はどうするだろう。積極的な意思表示ではないので、投票に行かない確率が高くなる▼論戦の舞台を参院に移した与党提出の国民投票法案には、一定の投票率を下回れば投票が無効になる最低投票率の規定がない。仮に40%の投票率なら、有権者全体の五人に一人程度の賛成で改正が決まる▼与党案では条件付きながら、投票権を十八歳以上に引き下げる。改憲しやすいか否かではなく、一人でも多くの民意を反映させるルールを追求したい。改憲か否かの決定権は国民にあるのだから当然だろう。

http://www.labornetjp.org/news/2007/1176902769016staff01
国民投票法案~参院で異常な審議がつづく
明日の憲法特は7時間コースだ!議面集会に参加を!
高田健@市民連絡会です。
重複送信をお許しください。転送歓迎です。
本日(18日)、6時間やった参院憲法調査特別委員会は、その後の理事懇で明日は9時から12時、13時から17時という日程を決めた。
野党は定例日を決めろと要求するが、与党はそれに応ぜず、連日、長時間の日程を入れ、形上の審議時間数を稼ぎたいということだ。結果として、毎日、夜に明日の委員会を決めるということになっている。
これでは市民の権利である傍聴など出来ようがない。委員だって、調査したり、勉強したりしながら審議すべきなのに、こんな乱暴な開催状況では、まともに出来るわけがないではないか。こんな異常な審議のやり方を許すわけにはいかない。
与党に抗議したり、マスコミに不当性を明らかにするよう、要求するなど、なんとかしてこのやり方にブレーキをかけなくてはならないと思います。みなさんのご協力を呼びかけます。
傍聴者もまだまだ少ないです。ぜひ傍聴できる人は傍聴を。傍聴の仕方は参議院の近藤正道事務所(社民)、仁比聡平事務所(共産)で手伝ってくれるはずです。
明日(19日)の12:15~13:00の参院議面集会は重要です。ぜひ皆さん、参加して委員の人たちの報告を聞きましょう。
-------------------------------------------------------—-
許すな!憲法改悪・市民連絡会
高田 健
東京都千代田区三崎町2-21-6-301
03-3221-4668 Fax03-3221-2558
http://www.annie.ne.jp/~kenpou/

http://www.ohmynews.co.jp/news/20070416/10198
国民投票法案を精査したら、明らかに改憲者に有利だった
忘れやすい日本人は関心を維持できるか 岡井 健(2007-04-18 05:00)
 国民投票法案が4月13日、衆議院を通過した。憲法改正手続きが明文化されたことになる。この法案の問題点を抽出してみた。
有効投票数の過半数としている(第98条の2)
 憲法の条文からは、有権者の過半数とするのが本来の考え方である。「有効投票数の過半数」は、最も過半数を得やすい方法である。※有権者の過半数13カ国、投票総数の過半数12カ国、有効投票の過半数5カ国(NHK調査)投票率に関する規定がない
 投票率が低い場合には極めて少数の賛成で可決される場合がある。無効票が賛成票になることになる。このため、最低投票率を設けるなどして、より国民の多くの賛同を得なければ、改憲に踏み切れないようにするべきである。※最低投票率を設定10カ国、非設定22カ国(NHK調査)
発議の方法が個別でない(国会法6章の2を追加)
 国民投票法151条により、国会法を一部改正して第6章の2「日本国憲法の改正の発議」を追加している。国民投票法68条の3では「憲法改正原案の発議に当たっては、内容において関連する事項ごとに区分して行なうものとする」とされた。
 これは複数の内容に対し、個別の異なる判断をさせないようにしている。発議者の判断で、容認しやすい法案と抱き合わせる法案を「内容が関連する」として“一括投票”させることは、発議者側に有利に働くことになる。
国民投票運動の制限が厳しく規制されている報道に関して──投票日の14日前からテレビやラジオを使った国民投票運動に関する放送を、第106条に定める場合を除いて禁止している(第105条)。
 14日以降は国民投票協議会と政党等以外は放送できない(第106条)。
 公務員の運動禁止──職務権限にかかわる者の運動を禁止している。教員をはじめとする公務員の発言などが強く規制されている(第103条の2)。
 報道に関しては放送量の制限がないため、資金力のある政党・団体などが圧倒的に民意誘導に有利である。広く意見を集約すると、事前運動や「組織的多人数買収および利害誘導罪」(第109条)の適用も考えられる。利害誘導が生ずるとする考え方が不成立ではないか。
 国民に情報を十分提供しなければならないことを考えると、一般国民の自由で闊達(かったつ)な論議を高めるべきである。法の趣旨はこれに大きく反して、運動そのものに規制を加えている。事前運動や、無資格の一般国民が幅広く論議することを制限するべきではない。これらは、総じて現行の公職選挙法の拡大解釈による適用である。
 個人を選出する選挙ではなく、国民の意見集約である性質上、広範な意見集約や意見交換が容易のできるようにするべきで、一般選挙とは大きく異なる。政党以外の発言や意見広告などの規制は、個人を選出する一般選挙とは根本的に異なり、幅広い論議が行なわれるべきであって、規制そのものがおかしい。
発議から投票までの時間が短い
 国民投票の期日は国会の発議から60日以降180日以内としている(第2条)。憲法改正の検討としては極めて短いものと思われる。改正内容の量を考慮していない。
国民投票選挙無効訴訟期間が短く、一審の訴訟が東京高裁に限定されている国民投票無効訴訟する場合は、選挙結果の告示から30日以内としている(第127条)が、全国規模の投票であり、違反の発覚証明に相応の時間がかかる。一審の管轄裁判所を東京高等裁判所に限定することも、全国投票から考えても訴訟をより困難にしている。
「憲法審査会」の危険性(国会法11章の2を改める)
 国民投票法151条により、国会法11章の2を一部改正している。法案成立後に国会内に従来の「憲法調査会」を改め「憲法審査会」を設置するとしている。これはいわば憲法改正の原案作りのための機関を常設することを意味している。明らかに憲法99条に違反する。また、相対的に憲法の存在を軽ろんじて、形骸化するものであるといえる。
  ◇ ◇ ◇
 総じて発案者に有利に作られた法案である。民主党の合意を得られなかったことが、今後、改憲派と護憲派を党内に抱く民主党ので方が大きな鍵を持つ。同法は3年間凍結されることになるが、この3年間は国民の切迫感をなくさせる冷却期間とも思える。忘れやすい日本人が、無関心になるのを待つようにも思える。

http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/news1/article.php?storyid=156
国民投票法案/先を急ぎすぎてないか
掲載日:2007-4-17 11:43:00農業新聞
 憲法改正の手続き法である国民投票法案の参議院での審議が16日、始まった。自民・公明の与党は特別委員会で集中的に議論を重ね、5月中の成立を目指している。しかし、憲法は国の大本をなすもの。衆議院特別委員会での混乱の中での採決や法案それ自体のいくつかの問題点を考えれば、成立を急ぐより議論を尽くすことが先決である。
 今年の5月3日で還暦を迎える現行憲法は、その第九六条で改正のための手続きを定めている。発議するのは国会。衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成が必要になる。その上で改正案は国民投票にかけられ、過半数の承認を得て成立する。国会で議論されている国民投票法案は、投票の対象年齢や過半数の定義などを具体的に定めるもので、これによって憲法改正の手順が法的に出来上がる。
 衆院で可決した法案の主な内容は次の通りだ。1.投票年齢は18歳以上。公職選挙法などの改正によって選挙権年齢などが変更されるまでは20歳以上 2.投票方式は自書方式をとらず、投票用紙の
「賛成」「反対」欄に○や×を記入する 3.有効投票総数(賛成・反対票の合計)の過半数の賛成で成立とする 4.改正案は関連する項目ごとに区分して提案する――など。
 このうち最も気になるのが「過半数」の定義だ。憲法第九六条では確かに不明確だが、その前段として衆参両院の総議員の3分の2以上で発議という高い壁を設けた。なぜなら、国の礎である憲法を変えるには多くの国民の賛意が必要だと考えたからにほかならない。しかし、今回の法案では有権者総数でもなければ投票総数(白票を含む)でもない有効投票総数の過半数と決めた。最も低いハードルだ。これでは賛否両論の中でどちらとも決めかねて、仕方なく白票を投じた人の意思はまったく反映されない。
 さらに言えば、法案には最低投票総数の規定がない。多くの有権者が強い意思で棄権した場合でも、国民投票それ自体は成立してしまう。有効投票率がもし、50%であるならば、国民の4分の1の賛成で憲法は改正されることになる。果たしてこれでいいのか。少なくとも、一定の投票率を下回れば国民投票を無効とする、最低投票率制度を設けるべきではないか。
 憲法を今後どうしていくか、議論することは間違っていない。国内外の情勢の変化に対応した政策と憲法にずれが起きている以上、議論にふたをすることはない。ただ、憲法を改める必然性が国民にまだ広がっていない。憲法のあるがままの姿を国民の前に明らかにするためにも、ずれをずれとして議論することが先決だ。国民投票法案をみると、何か先を急ぎすぎている感じがしてならない。"

【動画】 猿田佐世弁護士が解説する国民投票法の問題点

(以上引用終わり、アクセス日2007.4.19 21:30)

改憲週刊金曜日

Posted by 中の人