強制連行の賠償責任な中国人の控訴棄却 札幌高裁 違法性は認定

2025年9月20日

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/34852.html
アクセス日2007.7.3 22:30
(06/28 14:46 北海道新聞)
控訴棄却の判決に、厳しい表情を浮かべる原告の一人、趙宗仁さん=28日午前11時10分、札幌市中央区の札幌高裁前
 第二次大戦中、日本に強制連行され、道内の炭鉱などで過酷な労働を強いられたとして、中国人四十二人(うち十五人死亡)が、国と企業六社に謝罪と総額八億四千万円の損害賠償を求めた中国人強制連行北海道訴訟の控訴審判決が二十八日、札幌高裁であった。伊藤紘基裁判長は「強制連行は違法だが、賠償責任はない」と述べ、原告の訴えを全面的に退けた一審札幌地裁判決を支持、原告の控訴を棄却した。原告は上告する方針。
 判決はまず、強制連行の事実について、原告は一九四四年(昭和十九年)ごろ、日本政府の閣議決定などによって一方的に日本企業に引き渡され、劣悪な環境の下で重労働を強いられたと認定。その上で、「一連の過程は少なくとも道理に反するという意味で違法」と一審判決よりも踏み込んだ。
 しかし、国と企業の賠償責任については否定した。国の責任に対する判断は一審判決を維持し、国家賠償法施行(一九四七年)以前の国の加害行為で、国は賠償責任を負わないとする「国家無答責」の法理を適用して責任を免除した。
 また、企業の安全配慮義務については「違反があったという余地がある」としたが、時効により企業側の債務は消滅したと判断。さらに「一九七二年の日中共同声明により、個人の賠償請求権は放棄された」とする最高裁の戦後補償判断を引用して、訴えを退けた。
 控訴審をめぐっては、札幌高裁がいったん、三月二十日を判決期日に指定したが、二月になって取り消し。別の強制連行訴訟で、最高裁が戦後補償問題に関する初判断を示す見通しだったため、この判断を見極めるために延期したとされる。
 原告は一九九九年九月に提訴していた。