週刊金曜日 395号 2002.1.18 目次、女性国際戦犯法廷 歴史に刻まれた天皇の犯罪
P10 女性国際戦犯法廷の判決「沈黙の歴史はどのように破られたか」東澤靖
東京で開催された「2000年女性国際戦犯法廷」の最終判決が、2001.12.4オランダ・ハーグで出された。
・性奴隷制はどのようにつくられたか
・性奴隷制に適用された罪
P12 ・天皇をはじめとする個人の刑事責任
南京大虐殺、戦陣訓の制定、陸軍刑法の強かん罪の経緯をめぐる昭和天皇の反応や役割などの検討を経て、昭和天皇には旧日本軍による性暴力の実態を知り得べき理由があり、「慰安所」の設置や拡大について黙示また明示の容認があったと結論づける。
最終判決は、「慰安所」について昭和天皇ほか8名の高官を「人道に対する罪」と戦争犯罪の関与責任と監督責任とで有罪・・。
・日本の国家責任と勧告
事後においても、証拠の破壊や隠匿、真実の拒否や隠蔽、責任者の不訴追や不処罰、謝罪や賠償の拒否、国籍やジェンダーによる差別的対応、そして再発防止のための歴史教育の不履行などにより、日本は国家責任を負い続けていると認定する。
国際法上「人道に対する罪」の責任について時効は存在しないこと。
ハーグ「法廷」傍聴記 松井やより(VAWW-NET・ジャパン(戦争と女性への暴力日本ネットワーク)代表
私たちは加害国の女性として、責任者処罰という正義を求める被害女性の訴えに応えるために民衆法廷を開いたのだ。
私たちは東京での「法廷」以来、戦後初めて天皇の戦争責任を明らかにするというタブーに挑戦したために、右翼の攻撃にさらされてきた。しかし「法廷」が生んだ証言や証拠資料、起訴状、判決は「慰安婦」問題を歴史から抹殺しようとするいかなる試みも打ち砕く動かぬ証拠として、すべての被害女性がこの世を去っても記録として残る。
P14日本政府が謝罪に踏み切る機会 「法廷」の町ハーグで聞くそれぞれの思い 須波明
ガブリエル・マクドナルド主席判事(米国):「判決」で強調したいポイントは、日本軍の「従軍慰安婦制度」を、性奴隷制と事実認定した点だという。
ジャワ島で被害にあったオランダ人ルフ・オヘネルさん:「従軍慰安婦」についての記述が、教科書から削られていると聞く。名乗り出た「慰安婦」たちの勇気を無駄にしないで。
日本政府はもちろん、国内の多くのマスコミが「法廷」を無視する中、日本国民の役割と責任は大きい。
P16 国際戦犯法廷 国際刑事裁判所の役割 戦犯不処罰を乗り越えて 前田朗(東京造形大 教授)
民間法廷の代表例
・ベトナムにおけるアメリカの戦争犯罪を裁く国際法廷(1967ストックホルム、コペンハーゲン、ラッセル・アインシュタイン法廷)
・湾岸戦争におけるアメリカ・多国籍軍の戦争犯罪を裁く国際法廷(1992NY,クラーク法廷)
・朝鮮戦争におけるアメリカ・国連軍の戦争犯罪を裁くコリア戦犯法廷(2001.6NY)
主権国家に無視されたとしても、戦争犯罪の事実、国家による不処罰の事実と民間法廷による真相解明の事実を歴史に刻むことができる。
日本については、東京裁判とアジア太平洋地域におけるBC級裁判が行われたが、その後は誰一人裁かれることなく、放置されたままだった。
旧ユーゴスラヴィアの分裂とそれに伴う武力を背景とした「民族浄化」:旧ユーゴスラヴィア国際法廷(1993.5ハーグ)
ミロシェヴィッチの法廷への引き渡し
ルワンダのツチ族虐殺:ルワンダ国際法廷(1994.11.8タンザニア アルーシャル)
史上初のジェノサイド罪の有罪判決
・実現間近の国際刑事裁判所(ICC)
ICC問題日本ネットワーク
P18 涙と勇気を”教科書”に 現代に受け継がれた課題 竹内一晴
地方の人は報道を当てにするしかなかったのに、ほとんどのマスコミは取り上げなかった。そのせいで(女性法廷の)講演は大盛況」東ティモールの女性が怒りを爆発させた宣誓に強烈な印象を受けた。
岐阜、下関の高校、早稲田大で法廷のビデオを活用。「慰安婦」制度は民族差別、女性差別が最悪の形で結びついたもの。
P20 天皇が認めた朝鮮との深いつながり 公に論ずることをタブー視する皇室と朝鮮の深いつながりについて、天皇自らが去年暮れの記者会見で初めて踏み込んだ発言をした。ほとんどの新聞、テレビが黙殺した発言の背景を、朝鮮渡来集団による古代国家成立を説く筆者に書いてもらった。 林順治
天皇「私自身としては、桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると、続日本紀に記されてことに、韓国とのゆかりを感じています」(2001.12.23)
・応神天皇陵の被葬者はだれか
・学界の閉塞感打ち破った天皇発言
在野の研究家石渡信一郎氏の最大の発見は応神天皇に埋葬されている人物は百済から渡来した昆支(こんき)であると推定したこと。
・桓武天皇の生母は百済の末裔
高野新笠の母は百済系渡来集団の土師氏の出身である。
朝鮮と日本の深いつながりを公に論ずるのをためらう空気はまだ強い。




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