滅びゆくジャーナリズム

2025年9月22日


最近筑紫さんは逝去されるは、本多さんは交通事故されるはでろくなことがないが、本多さんの1996年朝日文庫「滅びゆくジャーナリズム」(名前が今の状況にぴったりで怖い気がする)や、筑紫さんの著作を紐解き、XY新聞へのヒントを得るべく読み始める。本多さんビデオレターか録音でもよいから大集会でしゃべってほしいなあ。そもそも本多さん77才、筑紫さん73才と70代のジャーナリストにしか著名なリベラルな記者が出ないのはどうしたことか。もっとも新聞社が個人名で有名にしたがらない(ルポを書かせない、書かない)せいもあるだろうが、日本のジャーナリズムの今後が暗いが、なんとか本多さんの提唱するXY新聞の刊行へできることからやっていきたい。以下「滅びゆくジャーナリズム」より引用。
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P41記者諸君、もっと取材力をより、
そう思って自著『調べる・聞く・書く』を見なおしますと、たとえば「記事やルポの四段階」(第二章)、「戦略・企画力・視点・方法論」といった意味での取材力については深く考察されていませんが、これは仕事の質を出発点において決定的に左右する重大な問題ではないでしょうか。(中略)「ほんもののジャーナリストはそれぞれ独自の方法論を持つ」とは井川一久氏(朝日新聞編集員)の言葉ですが、その方法論は出発にさいしてすでにできているか、少なくとも現地で方法をさぐるための取材」すなわち取材以前の取材」から始めることを考えているべきでしょう。これもまた「取材力」なのです。
P49朝日新聞労組の質問に答える、
これは一言でいえば、新聞社が通信社化してきたということです。だから、その時々のフラッシュ=ニュースは出るけれども、それを独自の目で取材した長編ルポなどは出にくくなってきたという現象がある。ということは、悪循環になってくるわけですね。そういう長編ルポや深い分析で腕を奮うような記者が育ちにくくなってくる。つまり、おもしろい長文が書ける記者が少なくなってくる。
P63逆に個人的努力や個人的才能に会社がオンブしている。さまざまな社内圧力に抵抗しながらでなければライターを貫けないからくだらぬエネルギーがいる。そんなエネルギーはないけれど「育てれば育つ才能がある人材」ていどでは、どんどんつぶされていく。もったいない。
P78この前ある通信社の幹部と個人的に話していたら、日本には六つ通信社があるというんですね、共同・時事・朝日・毎日・読売・産経と。これ全部通信社だっていうんですよ。ジャーナリストがほとんどいないということを言っていました。(略)まずいわゆる玄関ものとか発表もの、今日何があったとか、それは全部通信社でカバーできる。それで相当人間が余っちゃいますね。地方支局まで入れたら膨大なものだと思います。それを全部遊軍にしちゃうわけですよ。それがいろんな、まあ個人でもいいし、プロジェクトチームでもいいし、それで独自の事は全部やる。勝手なことやるわけです、みんなそれぞれが。ということはそれぞれがある視点がないとできませんけどね。発表モノばかり書いていた記者はお払い箱です。
 本当のジャーナリストがここで必要になってくる。(略)そうすれば普通の雑報はみんな通信社の記事でカバーできるわけですから。記者によって得意不得意いろんなタイプがありますけどね。いわゆる名文記者的なルポを書く人があるかと思うと、リクルートみたいに徹底的に掘り下げて暴露するというタイプもいる。時間もたっぷり取れるし、そういうほうにみんな精力を注いだらいいと思いますね。それは各地方支局についてもいえると思います。げんにリクルート報道は、いったん検察がやめたことを地方記者が掘り下げてゆくところから始まったのではありませんか。