軍事がわからない安倍首相の暗愚 田岡俊次

2025年9月15日

週刊金曜日2015.5.29号より、引用。

安全保障法制に関する安倍晋三首相の5月14日の記者会見と20日の党首討論での発言を聞くと、「この人と周囲の人は安全保障問題をわかっていないのではないか」と思わざるをえない。「安保条約改定の際にも、戦争に巻き込まれるとの批判が出たが、全く的外れだったことを歴史が証明している」と言うのは、1962年10月の「キューバ危機」をご存じないからだろう。キューバの封鎖に当っていた米駆逐艦が、ソ連潜水艦の威嚇目的で小型爆雷10発を投下したため、潜水艦長の中佐は「戦争が始まった」と判断、核魚雷の発射を命じたが、たまたま同艦に乗っていた潜水艦隊参謀の中佐が「様子を見よう」と説得し、世界は核戦争を免れた。
この時、米軍は在日米軍を含む全軍を臨戦状態に置き、B52爆撃機は核爆弾を搭載してーソ連領空外で旋回待機し、弾道ミサイルも即時発射態勢を取っていた。ソ連も同様な措置で応じていたから、冷静な一士官がそこに居たという偶然がなければ全面核戦争になり、米、ソで各7000人余、欧州で数百万人の死者が出たと推計されている。
 日本の米軍基地も当然核攻撃の対象となり、おそらく数十万人の死者が出るところだった。(略)また、「戦闘に参加することは決してない」と安倍氏が言うのも変だ。提出されたPKO協力法の改定案等では、他国の部隊をどへの攻撃があれば、自衛官は武器を使用して警護できる、としている。これは戦闘が起っている状況に飛び込むのだから、戦闘をせずにすむわけがない。
 攻撃側が馬鹿でなければ、自衛隊が駆け付ける経路には警戒部隊を配置し、待ち伏せる可能性も十分ある。

 戦死者が出る可能性大
(略)新・日米防衛協力の指針の改定でも、米国が発表前に中国に内容を説明していたことは、4月28日の中国外務省の定例記者会見で、洪レイ報道官が新華社通信記者の質問に対して「事実」と認めたが、『東京新聞』がこれを小さく報じただけだった。日本メディアは指針改定による「中国牽制」を言うが、牽制するはずの相手に事前に米国側が説明にうかがうのでは牽制にならない。政権に不都合なことを国民に伝えることを遠慮しては、報道機関は国家の警報装置としての機能を果しえないと案じざるをえない。
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久々に元帥の引用。きな臭い今後はこの人の出番も増えるだろう。