憲法違反の悪法「共謀罪」の成立がもくろまれているー週刊金曜日2005.10.7

2025年9月15日

暴走する国会 海渡雄一
法律に触れる行為をすることを合意したと見なされただけで、実際に準備を始めなくても処罰される「共謀罪」。憲法の人権規定を無視したこの悪法が今、成立する危機にある。
ー悪法とどう戦うかの最初の試金石
-なぜそんなに急ぐのでしょう。
この法案は、ゆっくり審議すれば反対の声が高まって通らなくなるからです。現にこれまでも通らなかった (下の囲み参照)。今なら自民党が大勝して、数で押せるというイケイケムードだということが大きい。自民党の圧倒的な議席数という状況のもと、これから悪法が山ほどやってくることになるけれども、それとどう闘うかを示す格好のステージができた。心ある野党議員と市民運動に関わる人とジャーナリストのカをあわせれば、短期間のうちにどれだけのことができるのかという最初の試金石になったとも言えます。
ー「共謀罪」とは?
2000年11月に国連総会で採択された「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」に、日本も署名。これを受けた国内法の整備という名目で提案されたのが「共謀罪」。2003年の通常国会(第159回国会)に「犯罪の国際化及び粗織化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」として国会に提出されたが、衆議院解散で廃案。その後国会に提出されたものの、3会期にわたって継続審議と在り、2005年の通常国会でようやく審議入りした。しかし多くの強い反対の声が挙がったために審議は進展しないまま、衆議院の解散によって廃案となっていた。対象となる法律違反は言殺人などの重大犯罪のみでなく、万引きを含む窃盗罪、公職選挙法、不同意堕胎罪や市町村民税の免脱罪など国際的組織犯罪集団とは関係ないようなものまで多岐にわたる。
 
 法案成立阻止はできなくても、換骨奪胎するくらいの修正をしてみせなきゃ、なんのための野党なのかわからないでしょう。
 「公明新聞には同氏の質問内容をもとに、「具体的行為も要件にせよ」「市民団体や労働組合は対象外にせよ」という主張を載せています。要するに、このように修正しろと言っているわけです。
ー憲法の機能が麻痺状態に
戦前・戦中の、天皇を批判したら不敬罪とされたような感覚と似てくる。
だから、共謀罪反対の闘いというのは、これから始まる監視社会、格差を拡大して「負け組」を徹底して監視して抵抗できなくしていく社会と闘うということなんです。
ー数の力に対抗するには大きな声の力が必要
自民党に数の力で強行突破されたらおしまいだけれども、それは反対の声の大きさで防げる。実際、この法案の内容を知ったら大抵の人はおかしいと思うはず。だから知らせる努力が必要です。日本の新聞は国会に法案が出てないと書かないけれど、出てから書き始めたんじゃ遅い。いまからでも、全国紙がキャンペーンをはって大々的に取り組んで世論を喚起してくれれば、国会にも影響を及ぼせると思います。
 いま、私たちの力量が試されている。心悪気を示す意味でも、あきらめないで声を挙げ続ける、できることを見つけてやってみる価値は十分あると思います。
ーー(引用終わり)著作権は週刊金曜日にあります。