週刊金曜日123号 1996.5.24目次、慰安所制度の総体を見ようとしない秦郁彦氏へ。NGO女性コーカス、安保の変質,改憲の企み日米安保共同宣言
P10 安保の変質,改憲の企み日米安保共同宣言
時代錯誤の日米安保共同宣言 伊藤成彦
「朝鮮半島における緊張」を口実に、米軍約10万人を維持するのはかえって緊張を激化させ百害あって一利もない。
したがってまず日米両国が核兵器を含む大幅な軍縮を行ないながら、核兵器を所有する中国と話し合えば少なくとも北東アジア非核地帯をつくることができる。
・言葉で誤魔化す両政府
宣言は、日米安保条約が「極東の範囲」を遥かに超えて、「地球的規模」まで拡大した。
P12沖縄の半永久的な米軍への提供や、日本全土の米軍基地としての提供がいずれも天皇メッセージを契機として行われた疑いが濃い、戦争責任追及からの回避の動議が伏在していた疑いが濃い(豊下楢彦「吉田外交と天皇外交」世界95.11号など参照)。
私たちは今、日米安保と憲法という本質的に相容れない二極を前にして、憲法か、日米安保か、という決定的選択を迫られている。
P16アジアから見た「日米安保共同宣言」 陸培春(る ぺいちゅん シンガポール聯合日報記者)
P17東南アジア諸国連合(ASEAN)は平和と安定を確保するため、域外大国の干渉を排除し、東南アジアの中立化を実現させようとしている。近年、地域の安全保障環境をよくするため、欧州安保協力機構をモデルに、AEAN地域フォーラム(ARF)の枠組の形成に努力。
・独立できないニッポン
近代アジアにおいては、欧米の植民地だった国が多かったが、そのほとんどは独立した。フィリピンでは米軍基地を撤退させた。独立していないのは日本だけではないか。米軍基地が140近くもあり、空母の母港として横須賀、空でも横田や三沢基地があり、軍事演習も行われて日本は米国の植民地になっているのではないか。
日本政府は主権に対する深刻な考えを持っていないから、他人の主権も平気に侵してしますのではないか。日本は、21世紀に自衛以上の軍事利器の膨張はどういう意味なのかについてなんの説明もしていない。
・日本に願う平和の堅持
日本が早くドイツのように侵略戦争に対して徹底的に反省し、同時に非核、非(不)戦・非武装・非同盟の宣言をし、日米安保条約を廃棄することだ。日本には米国一辺等でなく、米国に対しても批判できる関係を確立し、日本人しか持たない素晴らしい戦争放棄を謳歌する平和主義を国際化する役割を果たしてほしい。
安保・米軍・自衛隊
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週刊金曜日123号 1996.5.24目次、

P6 「国民基金」拒否・東京宣言、決議される
宣言には、韓国、フィリピン、オランダ、台湾など内外の市民グループが署名。オランダ人元慰安婦のエレナ・デブローグさんは「基金による同情は、私たちの尊厳を傷つけるので拒否する」と語った。翌日には同基金の原文兵衛、下村満子、衛藤瀋吉氏らに抗議した。
P24 今週の反撃 ・南京大虐殺に「客観的証拠ない」と報じた産経新聞 宇佐見昭彦
しかし東京地裁判決は、一出版物に記された一兵士による一虐殺の描写について「客観的証拠がない」として名誉棄損を認めたに過ぎない。まるで南京虐殺全体がなかったかのように扱う論調に、危険なにおいを感じる。
・慰安所制度の総体を見ようとしない秦郁彦氏へ 川田文子(ノンフィクション作家)
文春5月号 狭義の強制連行の有無にこだわりすぎ 「筆者が数的規模にこだわるのは、それが補償問題と直接に関わるから」だそうだ。
軍による性暴力システムこそ問題
P26 植民地や日本国内で慰安婦を徴集する場合には、戦地に派遣された軍が担当者あるいは業者を選定して送り込み、「業務の統制は、北支那方面軍・中支那派遣軍や南支那方面軍などの司令部がおこなうのが一般的だった。ただし、その指揮下にある軍・師団・旅団・連隊などがおこなう場合もあった」「日本の内地部隊や台湾軍・朝鮮軍が業者を選定し、その業者が慰安婦を集めるやり方」(「従軍慰安婦」吉見義明著、岩波新書)もあった。また占領地においては、派遣軍が直接現地の少女を徴集していたる。インドネシアで13,14歳、植民地朝鮮においてもその大多数が十代で徴集された。
1992年7月と、翌年8月、政府調査で発表された公文書をつぶさに検討すれば、慰安婦徴集の指示が軍から発せられたことは明らかであり、だからこそ政府も「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、弾圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあった」(1993年8月4日内閣官房長官 河野談話)ことを認めたのである。
雇用契約さえ結んでいない
軍は慰安所を設置し、直営する例もあった。軍は慰安婦徴集の指示を出し、また占領地などでは直接募集し、銃剣などで威嚇し拉致することさえあった。仮に自衛隊が海外派遣の際、自衛隊専用の慰安所を設置し、アジアの女性や現地の少女を拉致するなどして慰安婦にしたなら、自衛隊の存立が危ぶまれるほどの批判を受けよう。軍事的性奴隷制問題で問われているのは国家の軍隊が犯した犯罪なのである。
河野談話で、慰安婦の募集に軍の「関与」を認めた点について、「強制連行」は「政治的妥協」ではなく、事実を前にして認めざるをえなかったのである。
P28 ジュネーブ・国連人権委員会傍聴報告
「従軍慰安婦」問題で国連決議を拒む日本 竹見智恵子
国連人権委員会は「クマラスワミ報告」を採択した。しかしその裏で日本政府は、それを避けようと画策していた。
・「報告」の趣旨を汲もうとしない日本政府
・国連改革を担う「女性コーカス」の結束
難民問題や民族紛争下の女性問題、少数民族問題や移民の女性たちの問題、少女売春や出稼ぎ女性の問題などテーマは数えきれない。女性コーカスは」こうした個別のNGOのゆるやかな連合体である。



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