岩国市長選のメディア各社の報道1

2025年9月20日

岩国市長選のメディア各社の報道姿勢を選挙前まで観察しよう。以下はネットニュース。
テレビでは米国大統領選スーパーチューズデイはやるが岩国市長選は今日6日のNHK21時、ニュースステーションでは触れないな。テレビで投票前にどれだけ報道するか注目しよう。
–(アクセス日2008/2/6 19:50googleニュースより)
派兵恒久法阻止に全力しんぶん赤旗 – 9時間前
岩国市長選勝利と横須賀の住民投票成功の支援・連帯、海外派兵恒久法阻止に全力をあげようと活発に論議しました。 全労連の坂内三夫議長が主催者あいさつ。 …

福田氏と井原氏が大接戦 出直し岩国市長選情勢調査
朝日新聞 – 20時間前
米軍岩国基地への空母艦載機部隊の移転の是非が争点となっている山口県岩国市の出直し市長選(10日投開票)について、朝日新聞社は4、5の両日、市内の有権者を対象 …

岩国市長選、両候補ほぼ一線
中国新聞 – 21時間前
無所属新人で自民党の前衆院議員の福田良彦氏(37)と無所属で前市長の井原勝介氏(57)の一騎打ちとなった岩国市の出直し市長選(10日投開票)で、中国新聞社は約500人へ ..
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福田氏やや先行 岩国市長選、井原氏猛追
中日新聞 – 2008年2月5日
無所属2人が立候補した山口県岩国市長選で、共同通信社は4、5両日、世論調査を実施。取材も加味して情勢を探った。最大の争点となっている米空母艦載機移転に賛成 …

「参加型」対「組織型プラス劇場型」岩国市長選挙の構図
JanJan – 2008年2月4日
3日・告示、10日投開票の、山口県岩国市長選挙は、前市長の井原勝介さんと、前自民党衆院議員の福田良一さんの二人が、ともに無所属で立候補しています(関連記事) …

[福岡市政ニュース]
データ・マックス – 2008年2月4日
岩国市長選だ。先日告示され、10日に投開票される。因みに、この選挙は、任期満了に伴う選挙ではない。前市長の井原勝介氏(57)辞職に伴う選挙なのである。 …

基地強化反対しんぶん赤旗 – 2008年2月4日
当面、岩国市長選の支援や横須賀の「住民投票条例」運動の成功、各地のたたかいを共同して発展させるための学習・シンポジウムの運動などを呼びかけました。 …

「米軍機移駐反対」5割切る…岩国市長選、有権者意識に変化
読売新聞 – 2008年2月4日
山口県岩国市長選の最大の争点となっている米海兵隊岩国基地への空母艦載機移駐について、「賛成」または「地元の意見を反映して修正すれば賛成」とする有権者 …

岩国市長選、福田氏と井原氏が横一線…本社情勢分析
読売新聞 – 2008年2月4日
読売新聞社は10日投開票の山口県岩国市長選について、世論調査と取材を基に情勢を分析した。 新人で前自民党衆院議員の福田良彦氏(37)と、再選を目指す前市長の …

東国原知事が岩国の住民投票に賛意
日刊スポーツ – 2008年2月4日
この住民投票については、大阪府知事選に当選した橋下徹氏が「国政の防衛政策に自治体が法律上の手続きを使って異議を挟むべきではない」と批判、井原勝介前岩国市長が …

岩国住民投票再び批判
読売新聞 – 2008年2月3日
岩国市長選を巡っては、橋下氏が前自民党衆院議員・福田良彦氏(37)の応援ビデオに出演。2006年に住民投票を発議した井原氏は橋下氏の批判に「住民が国政にモノ …

岩国市長選、第一声熱く、7日間の選挙戦に突入
読売新聞 – 2008年2月3日
3日告示された岩国市長選には、前衆院議員の新人・福田良彦候補(37)と再選を目指す前市長・井原勝介候補(57)(いずれも無所属)の2氏が立候補を届け出て、7 …

米機移駐3度目の選択…岩国市長選、舌戦スタート
読売新聞 – 2008年2月3日
米海兵隊岩国基地への空母艦載機移駐の是非を争点に3日告示された山口県岩国市長選。移駐に柔軟な姿勢を示す前自民党衆院議員・福田良彦氏(37)と、移駐反対の立場 …

山口・岩国市長選が告示テレビ東京 – 2008年2月3日
山口県岩国市の市長選挙がきのう告示され、新人で自民党前衆議院議員の福田良彦氏と、再選を目指す前の市長の井原勝介氏の、いずれも無所属の2人による一騎打ちとなり …

岩国、出直し市長選告示・艦載機移駐巡り一騎打ち
日本経済新聞 – 2008年2月3日
米軍岩国基地への空母艦載機移駐に反対する市長の辞職、再出馬に伴う山口県岩国市の出直し市長選が3日告示された。移駐容認派が担ぐ新人で前自民党衆院議員の福田 …

子育て応援フォーラムに参加した橋下氏と堀ちえみは笑顔でトークを展開スポーツニッポン大阪 – 2008年2月3日
憲法学者にナマの憲法が分かるわけない」と反論した。3日告示となった岩国市長選は移転反対の前市長・井原勝介氏と容認派の前衆院議員・福田良彦氏の一騎打ちだが、 …

岩国市長選告示、艦載機移駐が争点TBS – 2008年2月3日
岩国市長選挙は、厚木基地の空母艦載機の岩国への移駐の是非をめぐり、前市長が辞職したことに伴うものです。 前衆議院議員の福田良彦さんは、再編計画に協力する立場 …

住民投票発言 橋下氏、批判に猛反発 福岡入り「憲法学者は机上論」
西日本新聞 – 2008年2月3日
報道陣に対し、米空母艦載機移転が争点の山口県岩国市長選をめぐる自身の発言への批判について「机の上の憲法論しか知らない憲法学者に、とやかく言われたくない」と猛 …

“脱基地”の重さ問う西日本新聞 – 2008年2月3日
【解説】岩国市長選の最大の争点は、米軍再編に伴う米空母艦載機59機の岩国基地移転の是非だ。国の専管事項である防衛と地方自治の関係、基地への不安を抱える暮らし …

住民投票めぐり異論反論 井原・前岩国市長と橋下氏
朝日新聞 – 2008年2月3日
米空母艦載機移転の是非が問われた06年春の山口県岩国市の住民投票をめぐり、前市長の井原勝介氏(57)と次期大阪府知事の橋下徹氏(38)の「場外乱闘」が過熱し …

岩国市長選は新前の一騎打ち中国新聞 – 2008年2月3日
米空母艦載機の移転問題に絡む前市長の辞任に伴う岩国市の出直し市長選は3日告示され、自民党の前衆院議員で無所属新人の福田良彦氏(37)と前市長で無所属の井原勝介 …

艦載機移転めぐり一騎打ち 岩国市長選が告示
中日新聞 – 2008年2月3日
前市長辞職に伴う山口県岩国市長選は3日告示され、新人で前自民党衆院議員の福田良彦氏(37)と、再選を目指す前市長井原勝介氏(57)のいずれも無所属の2人が …

岩国市長選が告示 2氏の一騎打ちにMSN産経ニュース – 2008年2月3日
米軍再編に伴う空母艦載機の岩国基地移転に反対の前市長が「民意を問う」として辞職したことによる山口県岩国市の出直し市長選が3日告示され、新人で前衆院議員の福田 …

政党・政治家 橋下氏に ラブコール
読売新聞 – 2008年2月2日
一方、3日告示の山口県岩国市長選では、自民党から応援メッセージのビデオ撮影を依頼された。同日告示の京都市長選では、非共産の4党が相乗りする新人陣営から非公式 …

橋下節に疑問の声「あんたこそ憲法学べ」 岩国住民投票
朝日新聞 – 2008年2月2日
弁護士でもある橋下氏は、反論した前岩国市長の井原勝介氏を「憲法を勉強して」と痛烈に批判したが、「橋下さんこそ不勉強では」との指摘も出ている。 …

「岩国はまけない!市民集会」ひらかれるJanJan – 2008年2月2日
3日告示、10日投票の岩国市長選挙を前に2日、政治評論家の森田実さんが岩国に来られ、午前中、井原勝介・前市長とともに市内のスーパー前などで演説しました。 …

出直し岩国市長選、2氏が立候補=米艦載機移転の是非争点-山口
時事通信 – 2008年2月2日
井原氏が合併前の旧岩国市長だった2006年3月に実施された住民投票では、移転反対が投票総数の9割近くを占めた。翌4月の市長選でも井原氏が移転反対を掲げ、自民 …

井原候補押し上げへ2200人
しんぶん赤旗 – 2008年2月2日
山口県岩国市長選(三日告示、十日投票)に立候補する井原勝介前市長を押し上げようと二日、「岩国は負けない!」市民集会が市民会館大ホールで開かれました。 …

出直し岩国市長選告示 容認、反対の2氏が届け出
朝日新聞 – 2008年2月2日
神奈川県の米軍厚木基地から山口県の岩国基地へ空母艦載機部隊を移すことへの賛否が争点となる同県岩国市の出直し市長選が3日告示され、移転容認派が擁立した前自民党 …

—(社説などから)各社の姿勢が分かりやすい。
読売、産経は社説で選挙に関して触れないのかな。1地方選挙に過少報道したいのか?
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/column/syasetu/20080203/20080203_002.shtml
=2008/02/03付 西日本新聞朝刊=
混乱させた国も問われる 岩国市長選
 国の安全保障にかかわる防衛政策は、確かに政府の専管事項ではある。だからといって、政策を推し進める政府が地域の声を無視していいわけはない。
 関係自治体や住民の理解が必要なことは言うまでもない。それは民主主義国家なら当然のルールでもあるはずだ。
 きょう告示の山口県岩国市の出直し市長選までの経緯を見ていると、国の一方的な防衛政策に翻弄(ほんろう)される地方自治体と地域の苦悩を感じる。
 市長選は、任期途中で職を辞しあらためて民意を問う前市長の井原勝介氏と、米軍空母艦載機部隊の移転容認派から推された前自民党衆院議員の福田良彦氏の争いとなる見通しだ。
 選挙では空母艦載機部隊を受け入れるかどうかが三たび争われることになるが、その背後で問われているのは、地域を混乱させた国の基地行政のあり方だ。
 岩国市では、2005年秋に日米両政府が合意した在日米軍再編計画で米軍厚木基地の空母艦載機が岩国基地に移されることが明らかになって以来、市政の混乱と対立が続いている。
 当時の井原市長が受け入れを拒み、06年春に実施した住民投票では「受け入れ反対」の住民が90%近くに上った。その直後に行われた市長選でも井原氏が受け入れ容認派候補を抑えて当選した。
 岩国市民は2度、艦載機部隊の移転反対の意思を示したことになる。
 これに対し政府が取った措置は、艦載機移転計画の再考や地域の不安解消対策ではなく、既に建設に着手していた新市庁舎建設への補助金打ち切りだった。
 この補助金は、もともと沖縄の基地負担軽減策として米軍普天間飛行場の空中給油機を受け入れる見返りとして支給されていたものだ。
 それを米軍再編推進法で、再編計画の進ちょく度に応じた交付金制度に変え、艦載機移転を受け入れない限り岩国市には支給しないと言うのである。
 交付金を盾に移転受け入れを迫る政府の露骨な「アメとムチ」政策である。
 井原氏も一時は交付金支給を条件に、基地滑走路の沖合移設後に場合によっては移転を受け入れる考えも示していた。しかし、防衛省が「受け入れの確約が先」として提案を拒否し、移転問題の打開の扉を閉ざしてしまった。
 こうした経緯を見れば、問題をこじれさせた一義的な責任は、対話を避け「圧力」で移転を迫り続ける政府の強権的な姿勢にあると言わざるを得ない。
 岩国市民が選挙でどんな選択をしようと、いまのように地元自治体や地域との対話や丁寧な説明を欠いたまま事を推し進めれば、防衛行政に対する住民の不信を深めることになる。
 国の安保・防衛政策の円滑な実施には地域住民の理解は欠かせない。今回の出直し市長選では、政府の防衛政策そのものも問われている。

http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200802030076.html
岩国市長選告示 地域の行方示す正念場 ’08/2/3中国新聞

 一票の積み重ねが、周辺地域の未来まで大きく左右することになるかもしれない。前市長の辞任に伴い、きょう告示される岩国市の出直し市長選である。
 米空母艦載機の岩国移転に反対する前市長の井原勝介氏(57)と、容認派の市民らが推す前衆院議員の福田良彦氏(37)が、既に立候補を表明。両氏の一騎打ちになるとみられている。
 双方の主張に濃淡はあるものの、最大の争点が今回も米空母艦載機の岩国移転の是非であることは間違いあるまい。旧市の住民投票、合併直後の市長選に続き、あらためて民意が問われる。
 井原氏は、旧市の住民投票などで示された民意を背景に、艦載機移転に一貫して反対。市民の「安全・安心」を優先した国との協議を訴える。
 福田氏は地元経済界など移転容認派の要請を受けての立候補。移転では「現実的な対応」を掲げ、破たん寸前と見立てる市財政の再建に論戦の軸足を置く。
 今回の出直し市長選の発端となった新庁舎への国の補助金見送り問題への対応についても、主張の違いが際立つ。
 井原氏は「アメとムチ」を使って移転容認を迫る国の手法を厳しく批判。民主主義と地方自治の根幹にかかわるとして、支持を呼び掛けている。
 福田氏は、国のやり方にも非はあったと指摘。「国のいいなりになるのではない」としたうえで、国や県との協議推進の姿勢を色濃くにじませている。
 来春には、政府が空母艦載機移転を決める要因になった米海兵隊岩国基地の滑走路沖合移設事業が終わる。在日米軍再編の行方にもかかわる重要な節目になる。
 福田氏が当選すれば、米軍再編に向けた動きが一気に進む可能性がある。井原氏が再選された場合には、対立が目立つ議会側との関係修復が課題になる。今回の選挙結果に、政府をはじめ沖縄、神奈川など基地を抱える全国の自治体が注視するのも当然といえる。
 いずれにしても、有権者は難しい選択を迫られそうだ。どちらの候補の訴えが理にかない、地域が進むべき道筋を指し示しているのか。
悔いのない判断をするためにも、一週間の選挙期間中、選挙公報などで公約の違いをよく見比べたい。投開票は十日。深夜には大勢が判明する。周辺自治体の住民にとっても、とてもよそごととは思えない選挙戦が幕を開けた。

http://www.kanaloco.jp/editorial/entry/entryxiiifeb08021/
神奈川新聞社説2008/02/02
岩国市長選同じ被害者の目線で注視

 在日米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)を拠点とする米空母艦載機部隊の移転をめぐり、山口県岩国市であす三日、出直し市長選が告示される。米海兵隊岩国基地への移転に反対する前市長が、容認派が多数を占める議会との軋轢(あつれき)の末に辞職して再出馬。容認派候補と移転の賛否を最大の争点に戦うことになりそうだ。騒音被害に苦しむ厚木基地の周辺住民にとっても注目すべき選挙となる。
 岩国市では艦載機移転を問う住民投票、前回市長選(ともに二〇〇六年)の二回とも反対派が勝利している。米軍再編を急ぐ国のごり押しが住民の反発を招いたともいえる。いやがる自治体への押し付けでしか騒音問題を解決できない国はどうかしている。”たらい回し”に
よる決着を、被害の痛みを知り尽くした厚木基地の周辺住民は望まないはずだ。
 米軍再編の過程で国の「アメとムチ」の姿勢は、岩国市で最も顕著に示された。市庁舎建て替え補助金を凍結し、財政的に締め上げた。
シャッターを下ろした店が目立つ岩国の商店街。まちの繁華街には疲弊した地方を象徴する光景がある。そうした自治体に国は米軍再編への協力の度合いに応じて支払われる再編交付金を支給せず、方針転換を迫っている。
 米陸軍第一軍団前方司令部のキャンプ座間(座間、相模原市)移転に反対している座間市が、交付金の対象から外され圧力をかけられているのと同じ構図だ。
 艦載機の岩国基地移転は滑走路の沖合移設計画が招いたとの見方もある。現在より一キロ海側に滑走路を移せば、航空機の離着陸ルートが海上に移動し、騒音被害が減ると国は説明する。厚木基地周辺自治体の当時の基地担当者は、この沖合移設計画を知ったとき「厚木から岩国へ」という動きを察したという。騒音軽減を求める岩国市民の願いで実現した移設が、皮肉にも厚木基地の艦載機を呼び寄せたというのだろうか。
 既に駐留している海兵隊の軍用機に、厚木基地のFA18戦闘攻撃機を中心とした部隊五十九機が加わると、岩国基地の軍用機は今までの倍以上の規模に膨らむ。
 厚木基地周辺は二百万人が暮らす過密の住宅街。艦載機が飛ぶ異常な状態は早く解消しなければならない。艦載機移転は米軍再編が浮上する前からの懸案だった。問題を長く放置しながら再編の動きに合わせて高圧的に解決しようとする国の姿勢は支持できない。
 米海軍が移転後の訓練のやり方を具体的に説明していないのも問題だ。岩国に近い海上に訓練空域が設定されなければ艦載機が厚木に戻って訓練を行う恐れもある。それでは米海軍が岩国と厚木の二つの訓練基地を手に入れただけになり、負担軽減には程遠い。
 岩国市長選の投開票日は十日。同じ立場で結果を見守ろう。

http://www.kinyobi.co.jp/pages/vol688/kinnyobikara 週刊金曜日2008.2.2
▼『週刊金曜日』が出す本には2種類ある。何刷も重ねて収益の柱を目ざす本。もう一つは採算割れは許されないもののぜひ出さねばならない本である。『岩国は負けない 米軍再編と地方自治』は後者である(1月25日号裏表紙)。
 米軍再編に否と言えない(言わない)自民・公明の政府が岩国市民を補助金カットで締め上げている。親米派のイスラエルが、パレスチナのガザ地区を巨大な牢獄にして周囲を囲い、食糧や医療品すら運び込ませない中で、この飢餓作戦に屈しない住民は「われわれには塩とオリーブがある」と歯を食いしばって抵抗している。岩国はこれと同じ構図である。
『週刊金曜日』は抵抗を続ける井原勝介候補(前市長)と市民を応援する。この本はそのための緊急出版である。この本にも登場する上原公子さんは1月30日から、天木直人さんと佐高信・本誌発行人は2月2日に岩国に入る。
 岩国市長選の結果は、ひとり岩国だけの問題ではない。政府の横暴に歯向かう岩国市長選(2月3日告示→10日投票)が、いま行なわれている。(糟谷廣一郎) 
http://www.kinyobi.co.jp/MiscPages/syuppan◆単行本
[新刊案内]
『岩国は負けない 米軍再編と地方自治』
『週刊金曜日』編
ISBN978-4-906605-36-1 
四六判 120頁
定価1260円(税込)
米海兵隊岩国航空基地への空母艦載機移転を拒否している岩国市に対し、日本政府はすでに決定していた補助金の支払いをストップ。そのため岩国市は財政危機に陥っている―
「まごこ(まごこ財)の代に騒音のない岩国を残そう」と市長(12月28日付で辞職→2月10日に「出直し」選挙)を先頭に、米軍艦載機移転に反対する闘いをつづけている岩国市。
『週刊金曜日』と地元実行委員会との共催「岩国シンポジウム 国の横暴をはね返そう!」(12月16日実施)の内容を収録するとともに、米軍再編の本質と現状を訴える。
【主な内容】
井原勝介さんという人・佐高信(『週刊金曜日』発行人)/国の横暴をはね返そう!「岩国シンポジウム」の記録・天木直人(元・駐レバノン大使)・井原勝介(岩国市長)・上原公子(前・国立市長)・知花昌一(読谷村議)/行政学から見た「岩国」への仕打ち・新藤宗幸(千葉大学教授)/米軍再編と普天間基地・伊波洋一(宜野湾市長)/「岩国の怒り」から始まる自治体の民主主義ナラティブ・白藤博行(専修大学教授)/日米同盟を疑う――米国の本質から見える日本軍事化のからくり・成澤宗男(『週刊金曜日』編集部)/防衛省「騒音」データのウソ・田村順玄(岩国市議)/岩国市民の声

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080131k0000m070148000c.html 
社説:岩国市長選 政府の基地行政が問われる  毎日新聞 2008年1月31日 0時16分
 人口15万人の小都市が、在日米軍の再編問題をめぐって3度目の審判を下そうとしている。
 山口県岩国市で2月3日告示、10日投票の日程で出直し市長選が行われる。争点は、米軍厚木基地(神奈川県)に所属する空母艦載機部隊を、岩国基地で受け入れるかどうかだ。
 在日米軍の再編は、地元自治体との調整を経ないまま05年10月に中間報告がまとめられた。この中に米軍普天間飛行場に代わる施設の建設地やキャンプ座間の改編とともに、厚木から岩国への艦載機59機の移転が盛り込まれていた。
 中間報告の内容は06年5月の最終報告で固まり、日米両政府は14年までに再編を完了することで合意した。これを機に再編問題に対する政府の熱意は薄れていったように見える。
 しかし、政府が本当に汗をかかなければならないのは、むしろ対米協議の決着後であった。艦載機の受け入れ反対派と容認派に市内が二分された岩国の現状がそれを教えている。
 受け入れ反対派の井原勝介前市長は、容認派が多数を占める市議会との対立を理由に昨年末に辞職した。そのうえで民意を問うために自ら出直し市長選に立候補する道を選んだ。
 容認派が担いだのは、自民党の福田良彦前衆院議員だ。福田氏は今月22日に議員辞職が認められた。
 井原氏は、初当選した99年の段階で普天間飛行場にある空中給油機の移転を受け入れると表明したものの、空母艦載機については負担が過大になるとして拒んだ。06年3月に行われた住民投票では移転反対派が89%を占め、翌月の市長選も同氏が当選を果たした。この
ため岩国ではすでに2回、「移転ノー」の意思表示がなされたことになる。
 この間、政府は空中給油機の受け入れを理由に、岩国市の新市庁舎建設費を補助することにした。05年度3億円、06年度11億円が補助されている。
 ところが、井原氏が空母艦載機の受け入れを拒むと、米軍再編事業の円滑な実施ができないとして、政府は06年12月の段階で07年度に予定されていた35億円の補助を打ち切った。
 新市庁舎への補助は、艦載機の移転話が出る前に決まっていたことだ。後から浮上したテーマにからめて地元を財政面から締め上げ、協力の言質を引き出そうというのは強権的だ。問題をこじれさせた責任の多くは、防衛省の姿勢にあると言わざるを得ない。
 在日米軍の再編は、沖縄の負担軽減が主目的の一つだった。移転先自治体の意向ばかりを尊重していたら、目的を果たせないのも事実だろう。しかし、だからこそ政府は基地負担が増える自治体とのていねいな対話が必要なはずだ。選挙で問われているのは、政府の基地行政でもある。

http://blogs.yahoo.co.jp/haruhiro8181/13588257.html
岩国市長選―問われる「アメとムチ」(朝日新聞社社説)2008/1/22

 選挙の争点は米軍の空母艦載機を受け入れるかどうかだが、その背後で問われているのは、政府の露骨な「アメとムチ」の政策だろう。
 2月におこなわれる山口県岩国市の出直し市長選のことである。
 米軍厚木基地からの艦載機の受け入れに反対していた井原勝介市長が、市議会と対立し、昨年暮れに辞職した。井原氏は改めて市民に信を問うとして、再び立候補する。これに対し、移転容認派から推された自民党の福田良彦衆院議員が立候補を表明している。
 騒ぎの発端は、05年秋の日米両政府による在日米軍再編計画だ。岩国基地には厚木基地から艦載機59機が移されることになった。市街地にある厚木基地の騒音問題が深刻になっていたからだ。
 岩国市はかねて米軍基地の街である。だが、井原市長は受け入れを拒んだ。米軍機の数がいまの2倍になり、住民生活に深刻な影響を与えるという理由だけではない。地元に何の相談もなく決められたことへの反発も大きかった。
 これに対し、政府が決めたのは、新市庁舎建設への07年度分の補助金35億円を打ち切ることだった。
 もともと新市庁舎への補助金は、米軍普天間飛行場の空中給油機を受け入れることを97年に決めた見返りだった。艦載機とは無関係のものである。
 だが政府は、米軍再編の計画を進めるにあたって、基地などの受け入れの表明から実現までの段階ごとに、自治体に交付金を出す方法を法律に盛り込んだ。
 こうした「アメとムチ」の政策を岩国でも徹底しようとしたのだろう。補助金の名目を一方的に変え、新たに艦載機を受け入れなければ打ち切るというのは、あまりに乱暴ではないか。
 井原市長は補助金に代わる財源を予算化しようとしたが、受け入れ容認派が多数を占める市議会に抵抗され、けっきょく市長の辞職、出直し選挙となった。
 市長が移転に反対してきた背景には、市民の意思がある。合併前の一昨年3月の住民投票では、「移転反対」が多数を占めた。その後の合併に伴う新市の市長選でも、「移転撤回」を公約に掲げる井原氏が移転容認派を抑えて当選した。
 とはいえ、井原氏も何がなんでも艦載機を受け入れないというわけではない。いま工事中の滑走路の沖合への移設が終わった後、改めて騒音を測ってはどうかなどと提案し、場合によっては移転を受け入れる考えを示したこともある。
 だが、防衛省は「受け入れが先決」として、歩み寄ろうとしなかった。
 井原氏が選挙に勝って再び市長になっても、政府が艦載機の移転を強行すれば、それを阻止する権限はない。防衛省はそれを見越しているのかもしれないが、市長や市民の批判にさらされ続ける基地が安定するはずがない。
 一連の経過を踏まえ、岩国市民がどう判断するか。選挙の結果を注目したい。

http://blog.goo.ne.jp/gomame54321/e/20e31e7853d4195294ae4e7e06c16fe9
防衛省強硬、官邸と差 朝日1/20

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/column/syasetu/20080114/20080114_002.shtml
国の対応も問われている 岩国市長選=2008/01/14付 西日本新聞朝刊=
 国の政策が地域を翻弄(ほんろう)し、地方自治体を立ち往生させている。
 米軍岩国基地への空母艦載機移転計画をめぐる山口県岩国市の市政混乱の経緯を見ていると、そう感じざるを得ない。
 確かに国の防衛政策は政府の専管事項だろう。しかし、艦載機移転を受け入れなければ補助金や交付金を出さないとして、岩国市に移転受け入れを迫る政府のやり方は強引すぎる。
 補助金を盾にした「理不尽な仕打ち」と、地域住民に受け止められたとしても当然だろう。
 国の安全保障にかかわる防衛政策といえども、地域の声を無視していいわけはない。関係自治体や住民の理解が必要なことは言うまでもない。
 その岩国市で2月に市長選挙が行われる。艦載機移転受け入れに反対している井原勝介市長が昨年末、移転受け入れが絡む新市庁舎建設補助金の支給問題をめぐって辞職したのに伴うものだ。
 辞職した井原前市長と、移転容認派が推す自民党の福田良彦衆院議員が既に立候補を表明しており、市長選では空母艦載機受け入れの是非があらためて問われることになる。
 この問題をめぐっては、旧市時代の一昨年2月の住民投票では「移転反対」票が9割近くに上った。その後に行われた合併に伴う新市の市長選でも井原氏が容認派を抑えて当選した経緯がある。
 日米両政府が2005年秋に合意した在日米軍再編計画で、米空母の艦載機59機が厚木基地(神奈川県)から岩国基地に移されることが明らかになって以降、岩国市民は二度、移転反対の意思を示しているわけだ。
 市民が移転に反対するのは、極東米軍では最大級の軍用機基地となることで、騒音や事故、米兵による犯罪などが増えることへの不安があるからだ。
 防衛省は基地滑走路の沖合移設で、その不安は軽減されると説明する一方で、市庁舎建設補助金など市への補助金や交付金の支給と引き換えに艦載機移転受け入れを迫り続けている。
 2月の市長選でも、この構図は変わらない。しかし、この構図の下で市長と市議会が対立して市政は停滞した。住民の間にも反目による亀裂を広げ、地域に混乱と苦悩をもたらした。
 その責任は、地元への具体的な飛行計画や不安解消対策の説明を欠いたまま、艦載機移転を決定した政府にもある。
 選挙の結果がどうなろうと、国の責任は消えるわけではない。いまのように補助金や交付金などを盾に「圧力」で移転容認を迫り続けるだけで、問題が解決するとは思えない。
 強引に事を推し進めれば、いま以上に国の防衛政策への国民の不信を深めることになる。
 その意味で、出直し市長選では国の対応も問われている。

http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200801030252.html米軍岩国基地 再び迫られる重い選択 中国新聞’08/1/3

 米軍基地を抱える岩国市民にとって、今年はこれまでにも増して重い判断を迫られる選挙が控えている。二月十日に予定される出直し市長選だ。基地の大幅な機能強化につながる空母艦載機受け入れの是非が、あらためて最大の争点になる。
 旧市時代の住民投票、新市での市長選では、いずれも「移転反対」の民意が示された。今回はどうか。投票の結果は、在日米軍再編の流れや日本の防衛政策にも少なからぬ影響を及ぼすはずだ。
 防衛省は、二〇〇八年度中の完成を目指す岩国基地滑走路の沖合移設事業によって騒音被害は軽減できると強調。補助金や交付金の支給と引き換えに移転容認を迫る。
 その説明はどこまで信頼できるのか。真偽の検証は、岩国市民にとどまらず、周辺地域の住民にとってもゆるがせにできない関心事だろう。
 中国地方には、広い範囲にわたって米軍機の飛行ルートや訓練空域がある。計画通り、五十九機にも上る空母艦載機の移転が決まれば、岩国基地に所属する軍用機は倍以上になる。狭い空域に戦闘機がひしめき合うことにもなりかねない。
 空母艦載機の移転に伴って、中国山地での低空飛行や騒音被害が増大することは本当にないのか。墜落や衝突事故の危険性はどうか。米軍側は「運用上の都合」として、訓練空域の変更や運用計画を一切明らかにしていない。これでは関係自治体や住民の懸念が募るのも当然だ。
 元日付の本紙に、米軍再編後の岩国基地のコンピューター画像が載った。昨年五月、防衛省が公表したマスタープランの概要や取材を基にした完成予想図である。
 新滑走路は現在より一キロ海側に移動。基地面積は七百八十六ヘクタールと一・四倍に広がり、強襲揚陸艦などが着岸できる港湾施設もできる。極東最大級の規模になる航空基地の全容を目の当たりにし、あらためて驚いた人もいたのではないか。
 岩国市周辺の自治体では、途中から容認に転じた大竹市を含め、「地域振興などに役立つ」として、首長の判断は容認で一致。大竹市には一億二千三百万円の米軍再編交付金の支給が決まった。交付は今後も続き、最大で約四十億円に上ると見込まれている。
 その大竹で、騒音被害の拡大が最も懸念されるのは阿多田島だ。百二十三世帯、三百二十人が暮らす漁業の島は、岩国基地まで十キロ足らず。日々、離着陸を繰り返す戦闘機は、パイロットの顔が見えるほど低く飛ぶことも珍しくないという。
 広島弁護士会は昨秋、岩国基地に隣接する自治会を対象に初の全世帯調査を実施。阿多田島での調査も加え、大竹市内でシンポジウムを開いた。そこで示された弁護士会の見解は「基地騒音は人権侵害にあたる」と厳しいものだった。岩国市では、騒音を理由に飛行差し止めなどを求めて提訴しようという動きもある。
 米軍との一体化路線を強める国の防衛政策に翻弄(ほんろう)される地域の苦悩は、今後も続きそうだ。どこまでなら我慢できて、どこからは受け入れを拒むべきなのか。こうした「受忍限度」の論議も含め、地域の明日を見つめ直す必要がある。

http://www.kinyobi.co.jp/KTools/antena_pt?v=vol682
国の「兵糧攻め」には屈しない! 週刊金曜日 第682号 2007年12月07日
財政危機の岩国で1万人集会
 「兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川」――。世界遺産登録を目指す山口県岩国市の錦帯橋近くの河原に、童謡「故郷」の1万1000人の大合唱が湧き起こった。米軍再編に伴う空母艦載機移転拒否の見せしめに、本来交付せねばならない約35億円をカットした汚職官僚・守屋武昌前防衛事務次官ら防衛省のやり方に屈しないと12月1日、「国の仕打ちに怒りの1万人集会in錦帯橋」と銘打った集会が開かれた。
 問題の35億円の交付金は、完成が近い新市庁舎の建設費に充てられる予定だった。このままでは支払が困難となるが、国と通じた移転容認派が多数を占める市議会が合併特例債による補填を盛り込んだ市長提出の予算案を四度にわたって否決。このため市は、財政危機に直面している。だが集まった市民たちは「カネで故郷を売り渡さない」と、心を一つにして移転拒否を貫く決意を確認し合った。
 冒頭、主催者を代表して「岩国市新庁舎募金の会 風」の岡田久男代表は、「国の対応は、『水戸黄門』に出てくるような悪代官と同じ。無理が通れば道理が引っ込むような時代にしてはいけない」と強調。「移転で一番犠牲になる子どもや孫たちを守るためにも、正しい世論を巻き起こそう」と呼びかけた。
 次に、井原勝介市長が登壇。「昨年の住民投票では、圧倒的多数の市民が『移転拒否』の意思を示した。ところが政治で重いはずの民意を無視し、あまつさえ言うことを聞かないからと3年目に交付金を突然カットする。こんな非常識な措置は今までなかったのではないか」と
、政府・防衛省を厳しく批判した。
 さらに市民の一部に「くるものはくるから、カネをもらった方がいい」というあきらめムードが出ていることについて触れ、「(そうしたことは)絶対にしてはいけない。『アメとムチ』で市民の意思を押さえつけようとする手法は、国が行なう措置ではない。こんなやり方では、不信感が高まるばかりだ。米軍再編はカネ、圧力で左右すべき問題ではない」として、あくまで移転拒否を貫き通す意思を強調。
 最後に井原市長は「これは岩国だけの問題ではなく、全国どこにでも起こりうる。そうした観点で、一緒に岩国と共に行動してほしい」と、全国からの支援を訴えた。
 続いて、駆けつけた9人の衆参国会議員が激励。「こんなことがまかり通れば、地方自治は成り立たない」(横路孝弘衆院副議長)、「国の横暴が勝つのか、住民自治が勝つのかの闘いだ」(穀田恵二衆院議員・共産党)、「札束で頬をたたくようなやり方は絶対に許せない」(川田龍平参院議員・無所属)などと、次々に怒りの声を表明した。
 集会は、「全国の運動にも励まされて必ず35億円の庁舎建設補助金を国に出させるまで運動を強めていく決意」をうたった「アピール」を採択して終了。井原市長が「新しい民主主義の輝かしい第一歩」と呼んだ、この日以降の闘いに臨む決意を誓い合った。
 なお、本誌は岩国の市民と連帯し、全国に怒りの風を巻き起こそうと、地元の実行委員会との共催で12月16日、「米軍再編と地方自治を考える 国の横暴をはね返そう!」と題したシンポジウムを岩国市で開く。井原市長をはじめ、天木直人元駐レバノン大使、上原公子前国立市長、佐高信本誌発行人が参加。場所は岩国市立中央図書館・視聴覚ホールで、13時開場。入場無料。 (成澤宗男・編集部)

http://www.kinyobi.co.jp/KTools/antena_pt?v=vol676
岩国の米海兵隊員が集団レイプ 週刊金曜日 第676号 2007年10月26日

広島県警が身柄引き渡し要求
米艦載機部隊移駐問題で揺れる山口県岩国市の米軍海兵隊基地の隊員4人が広島市内で未成年女性を強かんした容疑で、広島県警は現在、4人の逮捕状を取り、米軍側に身柄の引き渡しを求めている。
 今回の忌まわしい事件は、12年前に沖縄で起きた3人の米兵による少女暴行事件を思い出させるが、岩国市では4年前にも同基地の米兵による強かん・傷害事件が発生。被害を受けた女性が法廷での証言を避けたため、犯人の米兵は実刑を免れている。また1998年夏には、女子中・高校生が米兵らしき男に相次いで襲われながら、犯人は結局見つからなかった。この種の事件は相当数起きていると見られるものの、被害者側が泣き寝入りするケースが大半で、顕在化するのは稀だ。
 岩国市は米軍再編による米軍厚木基地からの艦載機移駐を拒否しているが、これに対し国は市庁舎建設の補助金35億円をカットするなど卑劣なイジメを続けている。だが、もし艦載機が移駐したらさらに米兵の数が増大する。それに伴ってこの種の事件がより頻発するのは確
実で、地元岩国市のみならず、被爆地を冒涜して同基地の米兵が「娯楽と性の受け皿」にしている広島市についても問題は深刻だ。こうした米軍基地につきものの米兵犯罪に関する国の認識は甘すぎ、改めて地元住民の意向をまったく無視して艦載機の移転を押し付ける政府の姿勢が問われている。(田村順玄・岩国市議)

http://byoubyou.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_4eea.html
米軍再編法 カネと圧力だけでは(『東京新聞』社説2007年5月24日)

 米軍再編特措法が成立した。在日米軍再編への協力の度合いに応じて地方自治体に交付金を支給する。カネと圧力ばかりに頼れば、地元の反発を招くだけだ。話し合う姿勢を忘れてもらっては困る。
 基地周辺自治体に一律に交付金などを支給してきた従来の方法が変わる。日米両政府が合意した再編計画に協力する自治体だけに支給し、受け入れを拒む自治体は冷遇して圧力をかける。そうした「出来高払い」方式を採用したことが今回の法整備の特徴だ。
 しかも支給する自治体を選ぶ基準は必ずしも明確でない。政府のさじ加減一つで決められる。同じように受け入れを拒んでも、脈のあるところにはカネを与え、そうでないところは見せしめに与えないこともできる。「アメとムチ」そのものだ。
 地元自治体や住民の理解より、米政府との「約束」を優先する路線に転換したといってもいい。
 政府は特措法を先取りするかのように「ムチ」を振るい始めている。
 沖縄の米軍普天間飛行場を移設するキャンプ・シュワブ沿岸部の環境現況調査に、海上自衛隊の掃海母艦を参加させた。日米で合意した二〇一四年までの移設を実現するには、これ以上、反対派に調査を妨害させるわけにはいかないと、異例の海自投入に踏み切った。
 しかし、これには調査に同意した仲井真弘多知事でさえ「銃剣を突きつけられているような連想をさせ、強烈な誤解を生む」と批判した。沖縄県も名護市も移設に反対しているのではない。移設計画の修正を求めている。強硬姿勢で県民感情を逆なでするのでなく、話し合って解決策を見いだすべきだ。
 米軍岩国基地への空母艦載機移転に反対する山口県岩国市では、政府が新市庁舎建設の補助金を打ち切り、市政が混乱している。住民投票の結果を受けて反対する市長に対し、市議会は容認姿勢に転じ、市の予算案を否決した。
 政府の揺さぶりで市長と市議会が分断された。地方分権を最重要課題に掲げる政権のやることか。
 特措法では、在沖縄米海兵隊のグアム移転に伴う費用を国際協力銀行が融資・出資できる仕組みも定められた。しかし総額三兆円規模とされる再編経費や、グアム移転費用の積算根拠は依然不透明である。
 厳しい財政状況を反映し、税金の使い方に向けられる国民の視線は厳しい。政府はもっと説明責任を果たすべきだ。国民や地元の理解を得ぬまま強引に進めれば、日米関係にも思わぬ影響を与えかねない。

米軍再編法―説明不足の見切り発車だ(『朝日新聞』社説5月24日)

 米軍再編特別措置法が、与党の自民、公明両党の賛成多数で成立した。沖縄にいる米海兵隊のグアムへの移転や米軍普天間飛行場の移設を進めやすくするのが狙いで、10年間の時限立法である。
 日米同盟強化の一環として、安倍政権が成立を急いできた。それだけに、巨額な移転費用の積算根拠があいまいだったり、自治体への交付金を「アメとムチ」のように使う手法が盛り込まれたりするなど、内容に疑問が残ったままの見切り発車となった。
 海兵隊のグアムへの移転では、日本は費用の約6割にあたる60億ドル(約7000億円)を出し、司令部庁舎や隊舎を建設することが日米交渉で決まっている。
 他国の領土にその国の基地をつくる資金を出すのは異例だ。それでも、沖縄の重荷を減らせるのなら、日本がある程度の財政負担をするのはやむをえまい。
 しかし、その場合でも、積算根拠をきちんと示し、財政的な見通しを立てることが最低の条件である。
 グアムでの基地建設費について、米国は米東海岸を1とした場合、2.64倍かかるとしている。その理由として、インフラの乏しさや労働力の調達の難しさだけでなく、台風などの自然災害や毒ヘビの存在まで挙げた。これでは吹っかけているのではないかと思いたくなる。
 60億ドルの日本の負担のうち、政府が28億ドルを出し、残りの32億ドルは国際協力銀行(JBIC)が現地にできる民間企業の共同事業体に融資・出資する。この融資などを可能にするための仕組みをつくるのが、今回の法律の柱の一つだ。
 問題は、その資金が戻ってくるかどうかだ。共同事業体が米軍人用の住宅をつくり、その家賃収入で返済することになっている。しかし、返済には40~50年かかるとみられる。住宅の耐用年数を考えると、返済の途中で住宅の用をなさなくなって、不良債権になる恐れもある。
 もうひとつの柱である自治体への交付金は、基地などの受け入れを表明してから実施までを4段階に分け、段階ごとに交付額が増える仕組みになっている。
 自治体の「食い逃げ」を防ぐ窮余の策だろうが、財政の苦しい自治体に対しては露骨な「アメとムチ」になり、地域の発展にゆがみをもたらしかねない。
 今回の法律とは直接関係はないが、厚木基地の空母艦載機の受け入れを拒否した山口県岩国市が、新市庁舎建設の補助金を打ち切られた。こうしたことがさらに露骨に起きるかもしれない。
 これまでの米軍基地などの再編の進め方を見ると、地元に相談のないまま強行し、混乱を招いてきた面がある。
 先ごろも普天間飛行場の移設先の名護市辺野古崎で、民間業者に委託した環境現況調査に、海上自衛隊の掃海母艦や潜水士も投入され、反発が起きた。
 法律が成立したとはいえ、地元に丁寧に説明して理解を取りつけることを怠れば、米軍再編はさらに滞るだろう。

http://korekon.hp.infoseek.co.jp/yomiuri/20060312ig90.htm
 [岩国住民投票]「それでも在日米軍再編は必要だ」(2006年3月13日1時46分 読売新聞)
 山口県岩国市の住民投票で、在日米軍再編に伴う米空母艦載機移駐計画に「反対」とする票が多数を占めた。
 投票率は59%で、移駐反対票が賛成票を大きく上回った。新たな基地負担を避けたいという感情が住民の間に強いことを示すものだろう。
 投票結果には、法的拘束力はない。だが、米軍再編を円滑に進めるため、政府として、地元の理解を得るよう最善の努力を尽くすのは当然だ。
 日米両政府が合意した計画では、神奈川県・米海軍厚木基地の空母艦載機57機と米兵1600人を米海兵隊岩国基地に移駐する。その代わりに、岩国基地の海上自衛隊機17機と隊員700人を海自の厚木基地へ移す。
 在日米軍再編は、北朝鮮の核開発、中国の軍事大国化という安全保障環境の変化や、国際テロなどの新たな脅威に対処するのが目的だ。
日米同盟を強化し、日本の安全保障を、より強固なものとする上で、極めて重要な課題だ。
 住民投票自体には、様々な問題が指摘されていた。
 岩国市の住民投票条例では、投票率が50%に満たない場合、住民投票は不成立となる。そのため、移駐反対派は「反対」の投票を呼び掛け、“移駐容認派”は「棄権」するよう訴えていた。投票が成立すれば、圧倒的な反対多数の結果になることは当初から予測されていた。
 岩国市の井原勝介市長は、地元の意思を国に示す必要がある、として自ら住民投票を発議した。
 しかし、岩国市の条例は、「市の権限に属さない事項」は住民投票の対象外と定めている。住民からも、「移駐計画は国の専管事項で、住民投票条例にはそぐわない」との声が上がっていた。
 岩国市は20日に周辺7町村と合併し、4月には、新・岩国市の市長選が行われる。住民には、住民投票自体が市長選への選挙運動だ、という指摘もあった。移駐に理解を示す周辺町村もある。合併直前に岩国市だけが住民投票を実施したことに疑問の声も出ていた。
 こうした事情を考慮すれば、今後、岩国市側も、いたずらに政府と対立し、混乱を招くことがあってはなるまい。
 政府と地元自治体は、住民の利益に十分配慮しつつ、しっかりと国益を守るよう、誠実に協議することが大事だ。
 沖縄の米海兵隊普天間飛行場移設問題など、地元との調整でなお難題は少なくない。日本側の事情で再編計画が遅れては、日米の信頼関係が損なわれる。政府は、月内を目標とする日米最終合意に向け、全力を挙げなければならない。