週刊金曜日2012.5.18 東京スカイツリー異景

2025年9月18日

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____『週刊金曜日
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 【1】注目の記事
 【2】編集長コラム
 【3】今週号目次と次号予告
 【4】近刊のご案内
 【5】イベントのご案内
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 【1】注目の記事
■特集 東京スカイツリー異景
 超巨大都市の夢
 矢部 史郎
 日本の超高層建築は、通常の意味での建築ではない。地震国日本において超高層とは、最先端土木技術の結晶である。それはダムやトンネル、橋梁と並んで、日本経済がめざしてきた発展の夢を集約的に表現するものだ。地上634メートルの塔から地上を展望すれば、そこには鉄とガラスとコンクリートでくまなく埋め尽くされた都市の姿があらわれるだろう。これは世界でも稀な4000万人都市、未来の超巨大都市だ。
 東京圏の雄大な都市の姿を、いま我々は複雑な感情とともに眺めている。ここから東北に220キロメートルの地点では、原子力発電所が崩壊し、放射能の蒸気を吐きだし、関東平野全域にセシウムの雨を降らせている。日本の発展を導く夢であり、希望であり、綱領であったものは、ある日あっけなく崩壊した。そうして一つの時代の終わりが告げられたとき、我々はその終わりを直視しないために、超高層タワーの夢にまどろんでいる。そこにもう未来がないことをわかりつつ、まだ夢から覚めたくないという気分が社会を覆っている。

●超高層タワーが町を活性化?
「またそんな高いもの建てちゃって」
 森 まゆみ
五月二二日、開業を迎える東京スカイツリー。由緒ある地名にちなんだ「業平橋駅」は「とうきょうスカイツリー駅」に改名され、下町情緒も何もあったものじゃない。
下町散策ブームのきっかけをつくった地域雑誌の元編集人が苦言を呈する。
●散策地図
”世界一” の電波塔、東京スカイツリーをもとめて、多くの人が訪れ、にぎわいを見せる新しい町の姿。一方、スカイツリーで変容する、もう一つの町の姿が、ある。隅田川沿いを歩いた。
●”無用の長物”
東京スカイツリーに想う
高須基仁
●『通天閣』が撃つ大阪の現在
橋下は:ぼやき;を許さない
対談 酒井隆史×平井玄
東京スカイツリーは東京のシンボルをめざすが、大阪のシンボルと言えば、今も昔も通天閣。
酒井隆史さんの『通天閣──新・日本資本主義発達史』(青土社)は、近代史において通天閣の周りで繰り広げられた大阪の多様性を明らかにするとともに、返す刀で「橋下徹現象」が何を「解体」しつつあるのかを逆に照射する。
通天閣は(・・・・・・) 一番を争わない。(・・・・・・・)
人をけ落とすことを人生の豊かさと勘違いしない。
そういう在り方のシンボルだったと思います
橋下の台頭には、大阪の衰退、
大阪的な笑いの衰退を感じるんだよね。
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 【2】編集長コラム
 先週末、浅草と吉原の間にあるスナックで飲んでいた。
 焼酎の水割りをやりながら(隅田川の向こうにある)スカイツリーができてどう思う? と地元の店員に聞いたら、浅草は繁盛するんじゃないの、とのん気に言っていた。
 だからなに、案外そんな反応である。
 本来、押上周辺には受け皿はないから、ストローの両端のように街は結ばれ、人は流れるだろう。
 いまだにやくざがわかりやすくうろつく浅草周辺だが、そんな世界は知らずに二、三千円を支払い、塔に昇れば日本を知った気分にもなるだろう。
 以前住んでいた横浜で、渋谷と元町・中華街を結ぶみなとみらい線が開通したとき、東横線桜木町駅が消えた。
 近くの横浜随一の飲み屋街・野毛には案の定、経済効果は少なく、埋め立て地のこぎれいな街に観光客は吸い寄せられて行った。
 街文化ってそんなことの繰り返しなのだろう。
 ぼくらは「安全・安心」で「安価」な代物に「安易」に乗っかり、見えるべき顔を知らないようにしようとしてはいまいか。 (平井康嗣)
(過去の編集長後記はホームページでどうぞ)[編集長後記]はこちら↓ 
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 【3】次号 5月25日号(896号)予告
不毛な尖閣ナショナリズム
尖閣地主と台湾 和仁廉夫
能川元一、孫崎亨ほか

好評連載最終回 国境の島
復帰40年 写真家が見つめた沖縄 石川文洋
希望のルポルタージュ  山岡淳一郎

石川文洋 私が見た沖縄の本土復帰40年

最新号目次はこちら↓ ホームページ上で一部全文公開しています。
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 【4】近刊のご案内

★新版 のんではいけない薬
必要な薬と不要な薬
のんでからでも遅くない、治療者必読の書!
薬害と闘い続けた医師が医薬業界の間違った常識を打ち破る。
医師でNPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチエック)理事長である著者がさまざまな薬の危険度と効用を分析・解説する。

★刑事告発 東京電力 ルポ福島原発事故
私たちは被曝してから一年が過ぎた──
福島原発事故の「当事者」が、事故当日から今後の刑事告発&告訴までを記したルポルタージュ。学者、文化人、報道機関などの「罪」を追及。田原総一朗氏も「証拠」資料とともに俎上に。原発を追って25年以上の著者にしか書けない「真実」。

★尾木ママと考える 大震災後を生きる希望のヒント
尾木ママが報道や教育のあるべき姿を語る。
2011年の大震災・福島原発事故を経験した日本、いま、私たちは何を学ぶべきなのか、
どうすべきなのか。おネエ系人気の秘密、報道のあり方、子ども・若者の変化、
教育のあるべき姿、おとなに求められることなど、
石坂さんがリードしながら、尾木先生が超辛口批判&提言。
テレビでは見られない尾木先生の踏み込んだコメントに注目!

★残 夢
 大逆事件を生き抜いた坂本清馬の生涯
100年前、明治末期の「大逆事件」で幸徳秋水ら12人が刑場の露と消えた。
事件をでっちあげて特定の政治勢力に弾圧を加え、
時代の風潮を変える検察の“国策捜査”はここに始まり、いま現在も続いている。
ことは検察だけではない。大逆事件はいまも多くのことを教えてくれる。
死一等を減ぜられて生き延び、戦後に再審請求を闘った坂本清馬の生涯は
いまの暗い時代にこそ強い輝きを放つ。

★世界が決壊するまえに言葉を紡ぐ
秋葉原事件から3・11以後へ──中島岳志
私は「言論ゲーム」「批評ゲーム」に飽き飽きしている。
何か大きな出来事があると、既製の枠組みを使って気の利いたことを発信し、
あっという間に忘却していく。
興奮気味に過剰な解釈を加えながら、時間がたつとまた次のネタに過剰反応し、
結局多弁という失語状態が永続する。
あとには何も残らない。
その残像の中で大切な問いは破棄されていく。試されたのは瞬発力のみ。
それが果たして言論なのだろうか。言葉なのだろうか。

本書は私が言葉をぶつけ合いたい人たちと行なった対談の記録である。
みんな言葉を持っている。そこには言葉がある。届く言葉がある。

★新・買ってはいけない8原発事故が引き起こした食品の放射能汚染 私たちのライフスタイルが問われています。
今回は個々の商品の検証はもちろん、要望の高い「買ってもいい商品」と「食品添加物の
見方と避け方」まで指南します。

★貧困なる精神24集
 「英語」という“差別”  「原発」という“犯罪”  
 米国に心も命も収奪された日本人
日本が「英語」によって支配されている「隠れた差別問題」を指弾した「英語」帝国主義と、
原発という「想定されていた人災」を追及する論考・対談を2本柱に構成。
原発の問題は、今年(2011年)3月11日に発生した大震災以降、本誌で連載したものを所収。
また、本誌の編集委員でもあった筑紫哲也氏を追悼するために、筑紫氏も出席した
佐高信編集委員・椎名誠編集委員(当時)の両氏もまじえた対談を再録。
さらには、本多氏が子どものころに描いたマンガ原稿も公開しているが、そこには
「今ヤ日本ハアメリカニ降伏セリ」「以上デコレモ終ワリデスガ」という文字も・・・・・・。
刺激的で機知に富んだ評論・批評集。
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 【5】イベントのご案内

★憲法フェスティバル
第26回「いま、このとき!」
日時:5月19日(土)12時30分~15時15分(開場12時)
場所:東京港区・ニッショーホール(地下鉄虎ノ門駅5分)
出演:新井満/古今亭菊千代/制服向上委員会
参加費:2500円・前売2000円
    (大学生・障害者・付添人1000円、高校生以下無料)
主催:憲法フェスティバル実行委員会 C(事前予約)S
問合せ:03-5211-0997(主催者)
協賛 『週刊金曜日』

★平和力養成講座2012 第2回
「原爆と原発をめぐって── 核の軍事/平和利用」
日時:5月19日(土)14時~17時
場所:東京千代田区・スペースたんぽぽ
  (JR水道橋駅5分・三崎町2-6-2-4階)
講師:木村朗(鹿児島大学教授)
参加費:500円
主催:平和力フォーラム 
問合せ:042-637-8872(主催者)
協賛 『週刊金曜日』

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P貧困なる精神515「現場」は生存者の記憶の中に生きている 石原都知事に訂正謝罪を求める8 本多勝一