読者が株主
「読者が株主になるということは非常に有力な方法だと思うんです。その着想は、『ハンギョレ』新聞とは別に私たちも考えていたんですが、具体的にそれをやっている所があるということを知って取材に行ったわけです。読者が株主になる方法をやってるのは他にフランスの『ル・モンド』があります。これは元はそうじゃなかったんですが、途中から切り換えて読者が株主になっております。『ハンギョレ』新聞を取材して、『やっぱり株主としてやる方法は非常にいい方法だ』とますます自信を強めました。」
「ある外資系の製薬会社の役員をやっていたんですけれども、役員といったって、たいていの会社がそうであるようにオーナー以外の役員は全部サラリーマンです。これがもう、大変な会社人間で働いている。あれはガンになる1つの要素だと思うんですが、それでガンになって『俺は何という会社人間だったのか』と気が付くのですよ。人生はこんなもんじゃなかったはずだと言って、それで陶芸や彫刻を始める。しかしもう既に遅くて、刻々と死ぬ日が近づいて来る訳です。そうした間にいろいろ考えてることが大変感動的なんですが、いくら気がついても失った人生はとり返せない。しかし、会社人間ということがいかに馬鹿げたことだったとしても、必ずしも会社をやめる必要はないわけで、『人生とは何か』という問題まで考え及ぶかどうかです。だから、もし『人生とは会社人間である』ということを悟った人なら、それはそれで別に知ったことじゃない。ところが悟らないでいつのまにか会社人間になっている、個人としての人生を忘れている。喜々たる奴隷。そういう状況が進んでいると思うんですね。だから、彼がガンになってから気が付いたことは、本当はもっと早く、例えば学生時代に気が付いておったら、全然別の人生があったんじゃないか。別にそれは会社に行くなということじゃなくて、生きるための月給は必要だろうから就職はそれでいいんだけれども、しかし『会社にいながら会社人間でないこと』は可能ではないかということが1つのヒントになると思うんです。学生じゃなくたって、考えてみれば生まれたときからそうじゃないかと。ガンになって気が付いたことに、本当は子供のとき気がつけば、たぶん別の人生があるんじゃないでしょうか。しかし、今の日本の教育制度というのは、反対にそういうことを極力つみ取っていくわけで、いかに個性や才能をつみ取るかが今の日本の教育の基本方針です。好きなことを止めさせる。早く、子供の時から進学塾やら受験校などに強引にやらされて、親も洗脳されてますから、強引にやらせて、子供が自分の頭で考えることを止めさせる。好きなことも止めさせる。自然との接触を止めさせる。単に与えられたものをコナスことが得意な受験秀才、つまりは企業のニーズにこたえるような人間を育てる。そういう基本的な教育機関になってますから、ますます『人生』をふりかえるようなチャンスは無くなる。」
「私の文庫が今までに朝日文庫だけで二十何冊出ていますけれども、あの中でベストセラーの順位を言いますと、一位が『日本語の作文技術』で、二位が『中国の旅』なんですね。つまり『中国の旅』は印税でも儲けさせてもらっている。もちろんそんなことでは悪いから、いろいろ還元していますけれども、しかし経済的にはそういうことが言える。だったらどうしてフリーの人はああいうことをやらんのか。…
最終的には、体制癒着型の幹部が、余りそんなことを歓迎しない。大多数の日本人も好まない。そこにまた行き着くわけですよ。そういうことをやる記者は余り優遇されない。」
以上は本多氏著作のどこか引用箇所が不明ですが、以下URLより。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~NKSUCKS/masukomi.html


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